大切な方の訃報に接し、葬儀に参列する際、ふと悩んでしまうのが「結婚指輪はどうするべきか」という問題ではないでしょうか。
特に、男性が身につける結婚指輪には、ダイヤがあしらわれたものや、ゴールド素材、さらにはエタニティリングなど、デザインも多様化していますよね。
「派手に見えないかな?」「マナー違反にならないか?」といった不安を感じる方も多いはずです。
この記事では、葬儀における結婚指輪のマナーについて、男性の視点も交えながら、ダイヤやゴールド、エタニティリングといった具体的な疑問に徹底的にお答えします。
故人への敬意を表し、遺族の方に配慮した振る舞いをするためにも、ぜひこの記事を読んで安心して葬儀に参列してくださいね。
葬式での結婚指輪は外すべき?基本のマナーと判断基準
葬儀に参列する際、「結婚指輪は外すべきなのだろうか?」と疑問に思う方は少なくありません。
この疑問に対し、まずは基本的なマナーと判断基準を明確にしていきましょう。
結婚指輪は着用したままで問題ない理由
結論からお伝えすると、結婚指輪は基本的に着用したままで問題ありません。
結婚指輪は、故人への敬意を示す厳粛な場である葬儀において、不必要な装飾品とは見なされません。
むしろ、夫婦の絆や愛情を象徴するものであり、肌身離さず身につけるものという認識が一般的です。
宗教的な意味合いを持つこともあり、故人や遺族に対する日頃の感謝や愛情を示す象徴とも考えられています。

一般的な葬儀におけるアクセサリーの考え方
一般的に、葬儀では派手なアクセサリーは避けるのがマナーです。
これは、故人や遺族への配慮として、控えめな装いを心がけるためです。
しかし、結婚指輪はアクセサリーというよりは、身につけていることを前提とした「夫婦の証」として捉えられています。
そのため、他の装飾品とは区別されることが多いのです。
男性の結婚指輪:ダイヤやゴールドは外すべき?
男性の結婚指輪も、近年ではデザインが多様化し、ダイヤモンドやゴールド素材の指輪を着用している方も増えています。
これらが葬儀のマナーに影響するのか、具体的なケースを見ていきましょう。
男性の結婚指輪とマナーの視点
男性の結婚指輪も、女性と同様に着用したままで問題ありません。
ただし、デザインによっては考慮が必要な場合もあります。
例えば、極端に幅が広いものや、奇抜なデザインの指輪は、厳粛な葬儀の場にはふさわしくないと感じるかもしれません。

ダイヤ付き結婚指輪は外すべきか?
小さなダイヤモンドが控えめにあしらわれた結婚指輪であれば、基本的に外す必要はありません。
ダイヤモンドは光を反射して輝くため、「派手すぎる印象を与えないか」と心配になる方もいるでしょう。
しかし、婚約指輪のような大粒のダイヤモンドが目立つものではなく、結婚指輪のアクセントとして控えめに配されている場合は問題ないとされています。
ゴールド素材の結婚指輪の扱いについて
イエローゴールドやピンクゴールドなど、ゴールド素材の結婚指輪も、着用したままで問題ありません。
色味のある素材のため、シルバー系のプラチナなどと比べて「派手に見えるのではないか」と懸念する声も聞かれます。
しかし、結婚指輪として広く一般的であり、故人への配慮を欠くものではないとされています。
重要なのは、指輪そのものの素材や色よりも、全体の喪服とのバランスです。
エタニティリングは着用できる?華やかさの判断基準
エタニティリングは、指輪の全周または半周にわたってダイヤモンドが埋め込まれたデザインで、その特性上、華やかに見えることが多いですよね。
葬儀での着用をためらう方もいるかもしれませんが、着用できるケースと避けるべきケースがあります。
エタニティリングを着用して良いケース
エタニティリングであっても、ダイヤモンドの粒が小さく、全体的に控えめなデザインであれば、着用しても問題ないとされています。
光の反射が抑えられ、ギラギラとした輝きが少ないものが適しています。
男性用のエタニティリングは女性用よりも石のサイズが小さい傾向にあるため、比較的着用しやすいでしょう。

外すべきと判断するポイント
一方で、ダイヤモンドの粒が大きく目立つものや、複数の列にわたってダイヤが配置されているような華美なエタニティリングは、外すことを検討しましょう。
葬儀では、喪に服す気持ちを示すことが重要であり、アクセサリーが目立つことで故人や遺族への配慮が欠けてしまう可能性があるからです。
葬儀の服装とアクセサリーの注意点
結婚指輪以外のアクセサリーや、全体の服装についても基本的なマナーを確認しておきましょう。
葬儀では、慎ましく、清潔感のある服装が求められます。
葬儀におけるアクセサリー全般のマナー
結婚指輪以外のアクセサリーは、原則として着用を避けるのが無難です。
特に、光沢のあるもの、大ぶりなもの、派手な色合いのものは控えましょう。
もし着用する場合は、真珠の一連のネックレスや一粒のシンプルなイヤリングなど、「涙」を表すものとして許容される場合があります。
ただし、男性の場合は、結婚指輪以外は何もつけないのが一般的です。
男性のスーツや小物との調和
男性の葬儀の服装は、ブラックスーツが基本です。
シャツは白、ネクタイや靴下、靴は黒で統一します。
結婚指輪は、これらのシンプルな装いを邪魔しない範囲であれば問題ありません。
派手な結婚指輪であっても、服装全体が厳粛であれば、それほど目立つことはないかもしれません。
宗派や地域による葬儀マナーの違いと確認方法
葬儀のマナーは、宗派や地域によって異なる場合があります。
心配な場合は、事前に確認することをおすすめします。
仏教、神道、キリスト教など宗派ごとの違い
日本の葬儀の多くは仏式で行われますが、神道やキリスト教など、宗派によってマナーが異なります。
しかし、結婚指輪の着用に関しては、どの宗派でも大きな違いはないとされています。
いずれの宗派でも、故人への敬意を表すことが最も重要であり、その意味で結婚指輪の着用は問題ないとされています。
地域独特の慣習と確認方法
地域によっては、独自の葬儀の慣習が存在することもあります。
例えば、特定の地域では特定の色の小物を身につけないなど、細かいルールがある場合もありますよね。
もし、地域の慣習が気になる場合は、葬儀を執り行う葬儀社や、地域の詳しい親族に尋ねてみるのが一番確実です。
葬儀で迷った時の対処法と安心ポイント
ここまで読んでいただいても、結婚指輪の着用に迷いがある場合もあるかもしれません。
そんな時の対処法と、安心して葬儀に臨めるためのポイントをお伝えします。
「外し忘れた」場合の対応はどうする?
もし、葬儀の途中で「結婚指輪を外すのを忘れてしまった!」と気づいても、慌てる必要はありません。
一度着用してしまったものを途中で外すのはかえって不自然に見えることもあります。
基本的にはそのままにしておいても問題ないでしょう。
周りの人も、あなたの結婚指輪まで細かくチェックしているわけではないので、気にしすぎる必要はありませんよ。
故人や遺族への気持ちを優先する大切さ
最も大切なのは、故人への哀悼の意と、遺族への配慮です。
結婚指輪を外すかどうかの判断も、この「気持ち」を基準に考えることが重要です。
もし、指輪を着用していることで自分が落ち着かない、あるいは周りに不快感を与えるかもしれないと感じる場合は、外す選択肢も考慮すると良いでしょう。
反対に、結婚指輪が故人との思い出の一部である場合や、故人もそれを望むだろうと感じる場合は、着用しても差し支えありません。

結婚指輪以外のアクセサリー着用例と避けるべきもの
結婚指輪以外のアクセサリーについて、具体的にどのようなものが許容されるのか、または避けるべきかを確認します。
男性と女性で少し違いがありますので、それぞれの立場から見ていきましょう。
男性が葬儀で着用できるアクセサリー
男性が葬儀で着用できるアクセサリーは、結婚指輪以外はほとんどありません。
時計は時間を知らせるためのものですが、派手なものは避け、シンプルなデザインを選びましょう。
また、カフスボタンなども避けるのが一般的です。
避けるべきアクセサリーの種類
以下のようなアクセサリーは、葬儀の場にはふさわしくありません。
- 大ぶりなネックレスやブレスレット
- ピアスやイヤリング(特に男性の場合、女性でも揺れるタイプは避ける)
- ゴールドやプラチナ以外のカラーストーン
- ブランドロゴが目立つもの
- 動物のモチーフなど、遊び心のあるデザイン
これらのアクセサリーは、派手な印象を与え、故人や遺族への配慮に欠けると判断される可能性がありますので、注意してくださいね。
女性の結婚指輪とアクセサリーのマナー
男性だけでなく、女性の結婚指輪やアクセサリーについても改めて確認しておきましょう。
基本的な考え方は男性と同様ですが、女性ならではの注意点もあります。
女性の結婚指輪の基本的な考え方
女性の結婚指輪も、基本的に着用したままで問題ありません。
男性と同様に、華美すぎないシンプルなデザインであれば、故人への敬意を損なうことはないとされています。
婚約指輪と結婚指輪を重ね付けしている場合でも、結婚指輪のみを着用するのが一般的です。
パールネックレスやイヤリングの着用ポイント
女性の場合、一連のパールネックレスや一粒のパールイヤリングは、「涙」を連想させることから、葬儀の場でも着用が許容されています。
ただし、二連以上のパールネックレスは「不幸が重なる」と連想されるため、避けるべきとされています。
イヤリングやピアスも、揺れない一粒タイプで、色は黒かパールに限定しましょう。
親族・喪主の場合の結婚指輪のマナー
参列者としてではなく、親族や喪主として葬儀に臨む場合、結婚指輪のマナーは変わるのでしょうか。
立場が異なると、より一層の配慮が求められることもありますよね。
親族や喪主の立場と装い
親族や喪主は、一般の参列者以上に故人への敬意を示すことが求められます。
そのため、より一層控えめな装いを心がけるのが基本です。
しかし、結婚指輪に関しては、一般的な着用ルールと変わりません。
むしろ、故人との絆を示す意味合いで、常に身につけている結婚指輪を外す必要はないという考え方が主流です。

より慎重な判断が求められるケースとは
例えば、故人が生前、結婚指輪について特別な考えを持っていた場合や、遺族の中に指輪の着用に強い抵抗がある方がいる場合など、個別の事情がある場合は、より慎重な判断が求められます。
しかし、これは非常に稀なケースであり、基本的には着用したままで問題ないと考えて良いでしょう。
心配であれば、ごく親しい親族に事前に相談してみるのも一つの方法です。
結婚指輪を外す場合の保管方法と注意点
もし結婚指輪を外すことを選択した場合、どのように保管すれば良いでしょうか。
大切な指輪を紛失しないための注意点も合わせて確認します。
葬儀中の指輪の適切な保管場所
結婚指輪を外す場合は、小さなポーチや巾着袋に入れ、バッグの中に大切にしまっておきましょう。
ポケットなどに入れると、落としやすいため避けるべきです。
また、貴重品であるため、肌身離さず持っていることが重要です。
できれば、ファスナー付きの内ポケットなど、安全な場所に保管すると安心ですね。
自宅での保管方法と紛失防止策
自宅に戻ってからも、普段指輪を保管している場所にきちんと戻しましょう。
適当な場所に置いたままにしてしまうと、紛失の原因となる可能性があります。
一時的に外した場合は、後でどこに置いたか忘れないように、決まった場所を決めておくのが良いでしょう。
まとめ
葬儀に参列する際の結婚指輪のマナーについて、男性のエタニティリング、ダイヤ、ゴールドといった具体的な疑問を中心に徹底解説しました。
今回の記事で特に重要なポイントをまとめましたので、最終確認として参考にしてくださいね。
- 結婚指輪は、基本的に着用したままで問題ありません。故人への敬意を欠くものではないとされています。
- 男性の結婚指輪も同様に、ダイヤやゴールド素材であっても、控えめなデザインであれば着用可能です。
- エタニティリングも、ダイヤの粒が小さく控えめなデザインであれば問題ありませんが、華美なものは避けるべきです。
- 結婚指輪以外のアクセサリーは原則として着用を避け、服装全体が慎ましく清潔感があるように心がけましょう。
- 宗派や地域による違いはありますが、結婚指輪の着用に関しては大きな違いはありません。
- 最も大切なのは、故人への哀悼の意と遺族への配慮です。迷った場合は、「故人や遺族に不快感を与えないか」を基準に判断しましょう。
- 結婚指輪を外す場合は、紛失しないように大切に保管してください。
大切な方を偲び、故人への敬意を表す葬儀において、服装やマナーは重要な要素です。
この記事が、あなたの不安を解消し、安心して葬儀に参列するための一助となれば幸いです。
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