大切な方とのお別れの際、香典の準備に戸惑っていませんか?
「お葬式のお金の入れ方って、どうするのが正しいの?」
「封筒の種類や書き方にもマナーがあるの?」
「もし失礼があったらどうしよう…」
そんな不安を抱えているあなたのために、この記事ではお葬式で渡すお金(香典)の正しい入れ方から、封筒の選び方、書き方、渡し方に至るまで、知っておくべきマナーを網羅的に解説します。
この情報を読めば、あなたは自信を持って香典を用意し、故人への弔意を滞りなく表せるようになるでしょう。
いざという時に慌てないためにも、ぜひ最後までお読みください。
香典に入れるお金の「向き」と「入れ方」を徹底解説
香典に入れるお金は、ただ封筒に入れれば良いというわけではありません。
故人への弔意を示すためにも、正しい入れ方を知っておきましょう。
お札の「表裏」と「人物の向き」
香典に入れるお札は、「裏向きで、人物の顔が下になるように」入れるのが一般的です。
これは、「不幸を繰り返さない」「悲しみが二度と訪れないように」という願いが込められています。
新札を避けるべきとされていますが、もし新札しかない場合は、一度折り目を付けてから入れると良いでしょう。

複数枚入れる場合のお札の重ね方
複数枚のお札を入れる場合も、すべて同じ向きに揃えて入れます。
上から順に、「裏向き」「人物の顔が下」になるように重ねて入れましょう。
お札の枚数が多すぎると封筒が膨らんでしまうので、適切な枚数に調整することも大切です。
お葬式で使う香典袋の種類と選び方
香典袋には様々な種類があり、宗教や宗派によって適切なものが異なります。
故人の宗教・宗派に合わせた香典袋を選ぶことが、マナーの基本です。
仏式で使う香典袋「御霊前」「御仏前」の違い
仏式では、「御霊前」と「御仏前」という表書きが一般的です。
- 御霊前:四十九日より前に使用します。故人の魂がまだ霊であるという考え方に基づいています。
- 御仏前:四十九日以降に使用します。故人が仏になったという考え方に基づいています。
通夜や葬儀に参列する場合は、「御霊前」を使うのが適切です。
神道・キリスト教で使う香典袋の表書き
神道やキリスト教では、仏式とは異なる表書きを用います。
- 神道:「御玉串料(おたまぐしりょう)」「御榊料(おさかきりょう)」「御神前(ごしんぜん)」などを使用します。蓮の絵柄の入った袋は避けましょう。
- キリスト教:「お花料(おはなりょう)」「御ミサ料(ごみさりょう)」などを使用します。十字架や百合の花の絵柄の入った袋を選びます。
故人の宗教が不明な場合は、「御香典」と書かれたものを選ぶのが無難です。
香典袋の「名前」の書き方と注意点
香典袋に書く名前は、故人への敬意を表す大切な要素です。
正しい書き方で、失礼のないように準備しましょう。
薄墨で書く理由と筆記用具
香典袋の名前は、薄墨で書くのがマナーとされています。
これは、「涙で墨が薄くなった」「急な訃報で墨を擦る時間もなかった」という悲しみを表現するためです。
筆や筆ペン(薄墨用)を使用するのが望ましいでしょう。
連名・代理で渡す場合の書き方
連名で渡す場合は、代表者の名前を中央に書き、その左側に連名者の名前を続けます。
会社名や役職を記載する場合は、名前の右上に小さく書くのが一般的です。
代理人が渡す場合は、香典袋の氏名欄に「〇〇(本来渡す人)代」と記載します。

香典に包む金額の目安と避けるべき数字
香典に包む金額は、故人との関係性や地域、宗派によって目安が異なります。
また、避けるべき数字もありますので注意が必要です。
関係性別の相場と一般的な金額
一般的な香典の金額目安は以下の通りです。
故人との関係 | 金額の目安 |
---|---|
両親 | 5万円~10万円 |
兄弟姉妹 | 3万円~5万円 |
祖父母 | 1万円~5万円 |
親戚(おじ・おばなど) | 1万円~3万円 |
友人・知人 | 5千円~1万円 |
職場関係(上司・同僚・部下) | 3千円~1万円 |
あくまで目安ですので、地域の習慣や周囲と相談して決めるのも良いでしょう。
「死」や「苦」を連想させる数字を避ける
香典の金額では、「4(死)」や「9(苦)」を連想させる数字は避けるのがマナーです。
たとえば、4,000円や9,000円といった金額は避け、3,000円や5,000円、10,000円などにします。
また、偶数は「割り切れる」ことから縁が切れることを連想させるため、避けるべきという考え方もありますが、最近ではあまり気にされないことも多いです。
香典を渡すタイミングとマナー
香典を渡すタイミングや方法にも、守るべきマナーがあります。
故人や遺族への配慮を忘れずに行いましょう。
受付での渡し方と袱紗(ふくさ)の使い方
香典は、受付で渡すのが一般的です。
香典袋は、袱紗(ふくさ)に包んで持参し、受付で渡す際に袱紗から取り出して渡します。
袱紗は、香典袋を汚したり傷つけたりしないための配慮です。
渡し方としては、受付の方に一言お悔やみの言葉を述べ、両手で相手に正面を向けて渡しましょう。
通夜・葬儀どちらで渡すべきか
香典は、通夜か葬儀・告別式のどちらかで渡せば問題ありません。
両方で渡す必要はありませんが、通夜に参列し、葬儀・告別式には参列しない場合は、通夜で渡しておくと良いでしょう。
もし両方に参列する場合は、通夜で渡すのが一般的とされています。
香典返しの基本と辞退の仕方
香典を渡した後は、遺族から香典返しを受け取ることがあります。
香典返しに関する基本的な知識と、辞退したい場合の伝え方を知っておきましょう。
香典返しの相場と時期
香典返しは、いただいた香典の半額程度(半返し)が相場とされています。
品物としては、お茶やコーヒー、海苔、お菓子などの消えものが一般的です。
香典返しは、四十九日法要が終わった後、忌明け(きあけ)の挨拶とともに送られることが多いです。
香典返しを辞退する場合の伝え方
香典返しを辞退したい場合は、香典袋の表書きの氏名の下に「香典返しご辞退申し上げます」や「お返しはご遠慮申し上げます」などと記載します。
または、受付で一言伝えることもできますが、書面で意思表示する方が確実です。
これは、遺族に余計な負担をかけないための配慮となります。
お葬式でのお金の入れ方に関するよくある質問
香典のマナーについて、よくある疑問にお答えします。
新札はNG?古いお札が良いとされる理由
香典には新札を避けるのがマナーです。
新札は「あらかじめ不幸を予期して準備していた」という印象を与えてしまうからです。
古いお札や、一度折り目をつけたお札を使用するのが良いとされています。
香典袋の書き損じはどうする?
香典袋の書き損じは、新しい香典袋に書き直すのが基本です。
修正液や修正テープを使うのは失礼にあたります。
書き損じを避けるためにも、事前に下書きをしたり、丁寧な字で書くことを心がけましょう。
お札が複数枚の場合、中袋は必要?
香典袋に中袋がついている場合は、使用するのが一般的です。
中袋には、包んだ金額、住所、氏名を記載します。
これにより、遺族が香典の管理をしやすくなります。
もしもの時に役立つ!香典以外の準備物
お葬式に参列する際、香典以外にも準備しておくと役立つものがあります。
スマートな参列のために、ぜひ参考にしてください。
数珠・ハンカチなど持ち物の確認
数珠は、仏式のお葬式で持参するものです。
宗派によって数珠の種類が異なる場合もありますが、基本的にはどの数珠でも問題ありません。
その他、黒や白のハンカチ、必要であれば老眼鏡や筆記用具なども準備しておくと良いでしょう。
服装・持ち物のマナー(アクセサリーなど)
お葬式の服装は、男女ともに喪服が基本です。
アクセサリーは、結婚指輪以外はつけないのが一般的です。
真珠のネックレスは許容される場合もありますが、華美なものは避けましょう。
靴やバッグも、黒で光沢のないシンプルなものを選びます。
地域や宗派によるお金の入れ方の違い
香典のマナーは、地域や宗派によって細かな違いがあることがあります。
不安な場合は、事前に確認しておくと安心です。
「御仏前」と「御霊前」の使い分けの地域差
一般的に、四十九日を境に「御霊前」から「御仏前」に変わりますが、地域によっては通夜・葬儀でも「御仏前」を使う場合もあります。
特に、浄土真宗では故人はすぐに成仏するという考え方から、通夜・葬儀でも「御仏前」を使用することが多いです。
迷った場合は、地域の慣習に詳しい人に相談するか、「御香典」と記載するのが無難です。
香典袋の水引の選び方
香典袋の水引は、「結び切り」のものを選びます。
これは「一度きりであってほしい」という願いが込められているからです。
色は黒白または双銀が一般的です。
緊急時に役立つ!葬儀参列の心構えと準備
突然の訃報にも、落ち着いて対応できるよう、葬儀参列の心構えと事前準備について解説します。
訃報を受け取ってから参列までの流れ
訃報を受け取ったら、まずは以下のことを確認しましょう。
- 通夜・葬儀の日程と場所
- 宗派(香典袋選びのため)
- 香典の要否、金額の目安(家族や親しい人に確認)
- 服装の指定(もしあれば)
その後、香典の準備や服装の準備を進めます。

遺族への声かけのポイント
遺族への声かけは、簡潔に、そして心からの労いを伝えましょう。
長話は避け、「この度は誠にご愁傷様でございます」「心よりお悔やみ申し上げます」といった言葉が適切です。
故人との思い出話をしたい場合は、遺族の様子を見て、後日改めて弔問に伺うなど配慮が必要です。
まとめ
お葬式で渡すお金、香典の入れ方からマナーまでを網羅的に解説しました。
今回の内容をまとめると、以下のようになります。
- 香典に入れるお札は、裏向きで、人物の顔が下になるようにする。
- 香典袋は、故人の宗派に合わせて選ぶ。「御霊前」「御仏前」「御玉串料」「お花料」など。
- 香典袋の名前は、薄墨で書くのがマナー。
- 香典の金額は、故人との関係性によって目安がある。4や9を避ける。
- 香典は、袱紗に包んで持参し、受付で両手で渡す。
- 香典返しは半返しが一般的。辞退する場合は香典袋に記載する。
- 新札は避け、古いお札か一度折り目をつけたお札を使用する。
- 香典袋の書き損じは、新しいものに書き直す。
これらのマナーを知っていれば、あなたは自信を持って葬儀に参列し、故人への最後の敬意を示すことができるはずです。
突然の訃報に戸惑うことなく、心穏やかに故人を送り出せるよう、この情報が少しでもお役に立てれば幸いです。
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