大切な故人を偲び、その人生の軌跡を振り返る時間。
葬儀において、故人の思い出を映像として残すメモリアルムービーは、参列者の心に温かい感動を呼び起こす、かけがえのない存在です。
近年、専門業者に依頼するだけでなく、ご自身の手でこの特別なムービーを自作される方が増えています。
「自分に作れるだろうか」「どんな準備が必要なの?」
そんな疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、初めての方でも安心して、故人への感謝と愛情が伝わるメモリアルムービーを自作できるよう、準備から作成、そして当日までのポイントを徹底的に解説します。
故人との大切な思い出を、あなたの手で、永遠の輝きとして形にしてみませんか。
葬儀用メモリアルムービー、なぜ自作が選ばれる?

葬式の知恵袋・イメージ
大切な方を偲ぶ葬儀において、メモリアルムービーは故人の人生を振り返り、参列者の心に深く刻まれる感動的な要素となります。
最近では、専門業者に依頼するだけでなく、ご自身の手でこの特別な映像を自作される方が増えています。
なぜ、多くの方が自作の道を選ぶのでしょうか。
業者依頼との比較:費用と柔軟性
専門業者にメモリアルムービーの作成を依頼すると、品質の高い映像が手に入る一方で、費用は決して安くはありません。
また、依頼内容によっては、表現の自由度や修正の柔軟性に限りがある場合もあります。
一方、自作であれば、制作費用を大幅に抑えることが可能です。
そして何よりも、ご自身のペースで、納得がいくまで内容を吟味し、故人への思いを最大限に込めた映像を作り上げることができます。
自作ムービーがもたらす感動と温かみ
自作のメモリアルムービーは、単なる映像作品を超えた、温かいメッセージとなります。
故人との思い出を一枚一枚の写真や動画から選び、ご自身の言葉や想いを込めて編集する過程は、深い追悼の時間となるでしょう。
その手作り感あふれる映像は、参列者にも故人への深い愛情と温かさを伝え、心に響く感動を呼び起こします。
プロの技術では表現できない、あなただけの、あなたにしか作れない温かいムービーこそが、自作の最大の魅力です。
葬儀向けメモリアルムービー作成の準備

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さあ、心に残るメモリアルムービーを作るための準備を始めましょう。
この準備段階こそが、感動的なムービーを完成させるための鍵となります。
故人との思い出の写真・動画を集めるコツ
まずは、故人との思い出が詰まった写真や動画をできる限り多く集めてください。
古いアルバムを引っ張り出したり、ご家族やご友人に協力を仰いだりするのも良い方法です。
デジタルデータだけでなく、紙焼き写真もスキャンしてデジタル化しましょう。
選ぶ際には、故人の笑顔が印象的なもの、人柄が伝わるもの、様々な年代のものを意識すると、より豊かなムービーになります。
大切なのは、故人の人生の軌跡を多角的に表現することです。

私も祖父のメモリアルムービーを自作しました。写真選びは大変でしたが、一枚一枚に思い出が蘇り、涙が止まらなかったのを覚えています。
どんなメッセージを伝えたい?構成を考える
写真や動画が集まったら、次にムービーを通してどんなメッセージを伝えたいのかを具体的に考えましょう。
例えば、「故人の明るい人柄を伝えたい」「感謝の気持ちを伝えたい」「故人との楽しかった日々を振り返りたい」など、テーマを明確にすると構成が立てやすくなります。
一般的には、故人の誕生から幼少期、学生時代、社会人、結婚、家族との思い出、晩年といった時系列に沿って構成するのがわかりやすいでしょう。
また、特定の出来事や趣味に焦点を当てた構成も、故人の個性を際立たせる良い方法です。
必要な機材と無料で使える編集ソフト
メモリアルムービーの自作に必要な機材は、基本的に以下の通りです。
- パソコン:動画編集にはある程度のスペックが必要です。
- 写真スキャナー(紙焼き写真がある場合):コンビニの複合機でもスキャンできます。
- 外付けハードディスク:大量のデータ保存とバックアップのためにあると便利です。
動画編集ソフトは、有料のものから無料のものまで様々ありますが、初めての方には無料で使えるソフトから始めるのがおすすめです。
代表的な無料ソフトには、以下のようなものがあります。
- DaVinci Resolve(ダビンチリゾルブ):プロも使う高機能な無料版があります。
- Shotcut(ショットカット):シンプルで使いやすいインターフェースが特徴です。
- Windows標準の「フォト」アプリ(Windows 10/11):簡単な編集ならこれで十分です。
- iMovie(Macユーザー向け):Macに標準搭載されており、直感的に操作できます。
メモリアルムービー作成の手順とポイント

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準備が整ったら、いよいよムービー作成に取り掛かりましょう。
ここからは、実際に手を動かす上での具体的な手順と、より感動的なムービーにするためのポイントをお伝えします。
写真・動画を選び、感動的なストーリーを組み立てる
集めた写真や動画の中から、実際にムービーで使用する素材を厳選します。
多すぎると間延びしてしまうので、100~200枚程度を目安にすると良いでしょう。
選んだ素材を、先ほど考えた構成に沿って並べ替えていきます。
単に時系列に並べるだけでなく、故人の人柄やエピソードが伝わるような物語性を持たせることを意識してください。
写真1枚あたりの表示時間や、動画のどの部分を使うかなども調整し、見ていて飽きさせない工夫を凝らしましょう。

写真の選定は本当に悩むポイントです。個人的には、故人の「らしさ」が出ている、少しユニークな写真も加えると、より個性が際立つムービーになると思います。
適切なBGMの選び方と著作権について
メモリアルムービーに欠かせないのがBGM(背景音楽)です。
故人が好きだった曲や、ご家族にとって思い出深い曲を選ぶと、より一層感動が深まります。
BGMは、ムービーの雰囲気を大きく左右する重要な要素です。
穏やかな曲、温かい曲、前向きな曲など、伝えたいメッセージに合わせて選びましょう。
ただし、著作権には十分注意が必要です。
市販のCDや配信されている音楽を許可なく使用することは、著作権侵害にあたる可能性があります。
葬儀での使用であっても、営利目的とみなされれば問題となる場合があります。
基本的には、著作権フリーの音源を使用するか、JASRAC(日本音楽著作権協会)などに使用許可を申請する必要があります。
YouTubeなどの動画サイトで「著作権フリーBGM」「フリー音源」と検索すると、多くの無料音源が見つかります。
テロップやメッセージで故人を偲ぶ
写真や動画だけでは伝えきれない故人への思いは、テロップやメッセージで補いましょう。
故人の生年月日や亡くなった年月日、家族構成、趣味、座右の銘などをシンプルに表示するだけでも、参列者は故人の人生をより深く理解できます。
また、家族からの感謝のメッセージや、故人とのエピソードを短く添えることで、感情に訴えかける力が増します。
文字の色やフォント、表示時間にも気を配り、読みやすく、美しく表現しましょう。
ムービーの長さと再生時の注意点
メモリアルムービーの適切な長さは、5分から10分程度が目安とされています。
あまり長すぎると、参列者が途中で飽きてしまう可能性があります。
短時間で故人の魅力を凝縮して伝えることを意識しましょう。
完成したムービーは、必ず葬儀会場の機材で事前に試写させてもらうようにしてください。
ご自宅のパソコンでは問題なく再生できても、会場のプロジェクターや音響設備との相性で、映像が乱れたり、音声が出なかったりするトラブルが起こる可能性があります。
時間に余裕を持って、入念な確認を行いましょう。
葬儀当日に向けた最終確認

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せっかく心を込めて作ったムービーも、当日スムーズに上映できなければ意味がありません。
万全の状態で故人を偲ぶために、最終確認を怠らないようにしましょう。
上映環境の確認とトラブル対策
葬儀会場の担当者と事前に打ち合わせを行い、上映に使用する機材(プロジェクター、スクリーン、音響設備など)を確認してください。
ご自身で作成したムービーを再生するための形式(MP4、MOVなど)や、USBメモリやDVDなどの媒体について、会場側の指定がある場合はそれに従いましょう。
万が一のトラブルに備えて、予備のUSBメモリやDVDを用意しておくことを強くお勧めします。
また、再生中に画面がフリーズしたり、音声が途切れたりした場合の対処法も、担当者と事前に確認しておくと安心です。
複数人での最終チェックの重要性
ムービーが完成したら、必ず複数人の目で最終チェックを行いましょう。
ご自身で何度も見ていると、見落としてしまうミスがあるかもしれません。
ご家族や親しい友人に協力してもらい、誤字脱字がないか、写真や動画の表示順は適切か、BGMの音量は適切か、再生時間は適切かなどを細かく確認してもらいましょう。
第三者の視点が入ることで、より完成度の高いムービーに仕上がります。
まとめ

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葬儀でのメモリアルムービー自作は、故人への深い愛情と感謝を形にする、非常に意義深い行為です。
準備から作成、そして最終確認に至るまで、決して簡単な道のりではありません。
しかし、ご自身の心で選び抜いた写真や動画、そして温かいメッセージが込められたムービーは、故人を偲ぶ多くの人々の心に深く響き、忘れられない感動を与えることでしょう。
このガイドが、あなたのメモリアルムービー作成の一助となり、故人との大切な思い出を永遠に刻むことができるよう願っています。
故人への感謝と愛情を胸に、あなただけの特別なムービーを作り上げてください。
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