葬式でボタンダウンのボタンは外すべき？正しいマナーと着こなし方

急な訃報に直面し、手持ちの服装で対応できるか不安を感じることもあるのではないでしょうか。
特にボタンダウンシャツしか持っていない場合、マナー違反になるのか、どう工夫すればよいのか悩まれることもあるかと思います。

ボタンダウンはもともとカジュアルな印象が強いため、葬儀やお通夜などの場では不適切とされがちです。
しかし、状況に応じて適切に対応すれば、最低限の礼儀を示すことは可能です。
本記事では、「襟のボタンを外すべきか」「どんな着こなしなら問題ないのか」といった具体的なポイントを、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

急な場面でも落ち着いて行動できるよう、ぜひ最後までご覧いただき、失礼のない服装で参列できるよう備えてください。

葬式でボタンダウンのボタンを外すべき理由

ボタンダウンしかない場合の適切な対応

突然の訃報を受け、手元にあるのが「ボタンダウンシャツしかない」という状況になることは少なくありません。
そのような場合でも、失礼にあたらないよう配慮することで、最低限のマナーを守ることが可能です。

まず前提として、ボタンダウンシャツはカジュアルウェアの一種であり、正式な弔事には基本的にふさわしくないとされています。
特に年配の参列者や関係者が多い場では、「礼を欠いている」と捉えられる恐れがあるため注意が必要です。

ただし、代わりの服をすぐに用意できない場合には、以下の対応を取ることで印象を大きく損ねずに済みます。

・襟元のボタンを外すことで、カジュアル感をやや軽減する
・黒や濃紺のジャケットを羽織り、シャツの存在感を抑える
・光沢のない黒無地のネクタイを着用して全体を引き締める
・ジャケットは室内でも脱がずに着用したままにする

これらの工夫によって、たとえボタンダウンであっても「弔意を示すためにできる限り整えている」という印象を与えることができます。
完全なフォーマルとは言えませんが、何もせずに着るよりはずっと丁寧な対応となります。

また、今後に備えて、レギュラーカラーやセミワイドカラーの白シャツを1枚用意しておくことをおすすめします。
いざというときに慌てず、落ち着いて対応できるようにしておくことも大切です。

法事でボタンダウンシャツは着てもいい？

法事に参列する際は、服装に一定の格式が求められます。
とくに年忌法要などは親族以外の人々も集まる場合があり、着用するシャツにも配慮が必要です。

結論として、ボタンダウンシャツの着用は基本的に避けた方がよいとされています。
理由は、そのデザインがもともとカジュアルなスポーツウェアにルーツを持ち、フォーマルな場に適さないとされているからです。

ただし、場合によっては許容されることもあります。
たとえば以下のような条件が整っている場合です。

・白無地で目立たないデザインである
・襟のボタンを外してカジュアル感を抑えている
・親族のみの小規模な法事である
・着用しているジャケットやネクタイがフォーマルである

一方で、次のようなケースではボタンダウンの着用は避けるべきです。

・僧侶など格式を重んじる方が参列する
・地域や家庭のしきたりで服装が厳密に決められている
・他の参列者がブラックフォーマルを着用するような法要

服装の判断に迷うときは、親族や主催者に確認を取るのが確実です。
また、一般的な礼服用の白シャツは一着持っておくと安心です。

いずれにしても、法事は故人を偲び、感謝の気持ちを表す場です。
場にふさわしい服装で臨むことが、敬意の現れといえるでしょう。

お通夜にボタンダウンシャツは失礼？

お通夜は突然の訃報に対して、故人に最後の別れを告げるために駆けつける場です。
そのため、葬儀ほど厳格な服装マナーは求められない場合もありますが、最低限の常識と節度は必要です。

では、ボタンダウンシャツをお通夜に着ていくことは失礼に当たるのでしょうか。
これについては、状況によって異なると言えます。

お通夜において、次の条件を満たすことで、ボタンダウンでも問題視されにくくなります。

・白の無地で清潔感のあるシャツである
・襟のボタンを外してカジュアルな印象を抑えている
・ジャケットを着用し、シャツの主張を和らげている
・派手なネクタイやアクセサリーは避けている

これらを守ることで、「やむを得ず駆けつけたが、できるだけ礼を尽くしている」という姿勢が伝わります。

一方で、以下のような場合はボタンダウンの着用は避けるべきです。

・訃報を事前に受けていて準備の時間があった
・葬儀のように正式な礼服が求められている
・目上の方や会社関係者が多く出席する予定である

お通夜は形式にとらわれないとはいえ、参列者がどのような服装で来ているかによって、自分の印象も左右されます。
そのため、自分だけがカジュアルに見えてしまわないよう、周囲とのバランスを考慮することが大切です。

どうしても他のシャツが用意できない場合は、ジャケットやネクタイで丁寧に整えることが最小限の礼儀となります。
できることを尽くす姿勢こそが、何より大切にすべきポイントです。

ボタンダウンを着用する際の注意点

ボタンダウンシャツは、カジュアルからビジネスまで幅広い場面で活用される便利なアイテムです。
しかし、弔事などフォーマルな場面では慎重に扱う必要があります。
とくに葬儀や法事のような儀式の場では、服装ひとつが周囲に与える印象を大きく左右します。

まず大前提として、ボタンダウンシャツは元々ポロ競技用のユニフォームが起源で、スポーティかつカジュアルな印象を持つデザインです。
そのため、厳粛な場では正式なワイシャツと比較して「軽い」「失礼」と受け取られる可能性があります。

ボタンダウンをどうしても着用せざるを得ない場合、次のような注意点を守ることで、最低限のマナーを保つことができます。

・襟のボタンは必ず外す
・白無地のシンプルなデザインに限定する
・ジャケットを羽織り、シャツが目立たないようにする
・派手なネクタイやアクセサリーは避ける
・上着は通夜・葬儀の間は脱がずに着用する

このような対応を取ることで、カジュアルな印象を可能な限り抑えることが可能です。
また、シャツの素材にも気を配ることが大切です。
たとえば、サテンや光沢のある生地は華やかすぎるため避けた方がよいでしょう。
一方、ブロードクロスなどの上品で滑らかな素材は比較的落ち着いた印象を与えます。

このように、ボタンダウンシャツを選ぶ際には「どう見られるか」という視点を意識することが欠かせません。
自分では違和感がないと感じても、年配者や礼儀に敏感な方にとっては気になる場合があるためです。

加えて、シャツ以外の小物選びも印象に影響します。
ベルトや靴、時計などもできる限り光沢のない黒で揃え、シンプルなものを選ぶことが望ましいでしょう。
「目立たない」「清潔感がある」「落ち着いて見える」という三点を基準にすると、失礼のない印象を与えやすくなります。

着用前に少しでも不安がある場合は、家族や葬儀の主催者に確認を取ることも一つの方法です。
たとえ細かなことのように見えても、場にふさわしい身だしなみが、礼節ある行動につながります。

襟ボタンを外すマナーと正しい手順

ボタンダウンシャツを弔事で着用する際に最も重要な配慮のひとつが、「襟ボタンを外す」ことです。
この小さな工夫によって、見た目の印象は大きく変わります。

そもそも、ボタンダウンの襟に付いているボタンは、シャツの襟が立ち上がらないように固定するためのものです。
そのため、ボタンを留めたままだと襟がシャツにピッタリと張り付いた状態になり、スポーティでカジュアルな印象を強く与えてしまいます。

一方で、襟のボタンを外すことで、襟が自然に開き、一般的なレギュラーカラーシャツに近いシルエットになります。
これにより、フォーマルな雰囲気にやや近づけることができるのです。

ここで、襟ボタンを外す際の正しい手順を確認しておきましょう。

・シャツを着る前に、鏡の前で襟の左右のボタンを外す
・ボタンは丁寧に扱い、生地を引っ張りすぎないよう注意する
・ボタンを外した後、襟が左右対称に開くように形を整える
・ジャケットを羽織る場合、襟の形が崩れないよう軽く手でなじませる
・必要であれば、シャツの前立てや肩のラインも整えておく

このように、ただ外すだけでなく「きれいに整える」ことが印象に影響します。
乱れた襟元はむしろだらしなく見えるため、注意が必要です。

また、シャツのボタンを外しただけではカジュアル感を完全に消すことはできません。
したがって、ジャケットやネクタイとの組み合わせによって全体のバランスを整えることが求められます。

なお、襟ボタンを外すことが「マナー違反になるのでは？」と不安に思う方もいるかもしれませんが、弔事においてはむしろボタンを外した方が適切とされています。
ボタンダウン特有のデザインが目立たないように配慮するという意味では、ごく自然なマナー行動といえるでしょう。

このような細やかな気配りが、場への敬意を表す一歩となります。
たとえ完璧なフォーマルスタイルでなくても、「配慮のある装い」を心がけることで、参列者としてふさわしい印象を残すことができます。

葬式でボタンダウンのボタンを外す時の服装マナー

フォーマルに見えるシャツの選び方

フォーマルな場面では、シャツの選び方一つで全体の印象が大きく左右されます。
とくに弔事においては、地味で控えめな服装が求められるため、どのようなシャツを選ぶべきか慎重に判断する必要があります。

まず最も重要なのは、色とデザインが落ち着いていることです。
シャツの基本色としては白が最適です。
白は清潔感があり、どの年代にも共通して受け入れられる色とされています。
一見無難な色に見えても、黒やネイビーなどの濃い色は弔事ではかえって目立つため避けたほうがよいでしょう。

シャツの襟の形も重要です。
レギュラーカラーやセミワイドカラーなど、襟元が自然に開いていて目立ちすぎないタイプが好まれます。
襟にボタンが付いているボタンダウンは、前述のとおりカジュアルな印象が強いため避けた方が無難です。

また、シャツの素材もフォーマル度を左右する要素です。
フォーマルなシャツには、以下のような特徴があります。

・生地はブロードクロスなど光沢の少ない上質なもの
・表面が滑らかで、模様や織り柄が目立たない
・厚すぎず薄すぎない中程度の生地感

さらに、シャツのサイズにも注意しましょう。
サイズが合っていないと、いくらデザインが適切でもだらしない印象を与えてしまいます。
肩の位置、袖丈、裾の長さなどが自分の体型に合っているかを必ず確認してください。

最後に、フォーマルなシャツは「清潔に見えるか」が非常に重要です。
シワや汚れがない状態で着用することを前提に、前日のうちにアイロンがけをしておくなどの準備も忘れずに行いましょう。

カジュアルに見せない着こなしの工夫

フォーマルな場面で大切なのは、服装全体からきちんとした印象を与えることです。
シャツ単体でなく、着こなし全体を通じてカジュアル感を抑える工夫が求められます。

まず基本となるのは、ジャケットを着用することです。
たとえビジネススーツであっても、黒やダークグレーなどの落ち着いた色であれば通夜や法事にも対応できます。
このとき、ジャケットの素材や仕立てがカジュアルすぎないよう注意することも必要です。
光沢の強い生地や派手なステッチ入りのデザインは避けてください。

次に重要なのが、ネクタイです。
フォーマルな場では黒の無地ネクタイが基本です。
光沢のないマットな質感のものを選び、柄や装飾があるネクタイは控えましょう。

シャツをボトムスにきちんと入れることも忘れてはいけません。
裾を出していると一気にカジュアルダウンしてしまいます。
ベルトも黒のシンプルなデザインに統一することで、全体の印象を引き締める効果があります。

靴は革靴が基本で、装飾の少ないプレーントゥやストレートチップが望ましいです。
ローファーやスニーカーはたとえ黒であっても避けるようにしましょう。

加えて、次のような小物にも配慮することで、カジュアルさを排除できます。

・腕時計は外す、または目立たないものにする
・装飾品（ピアス・ブレスレットなど）は外しておく
・バッグを持つ場合は小さくシンプルな黒で統一する

こうした細かなポイントを意識することで、たとえスーツが完璧でなくても、「しっかりと弔意を表している」ことが相手に伝わります。

見た目に派手さがないこと、落ち着きがあること、そして整った印象であること。
これらが、カジュアルに見せないための着こなしにおける基本的な考え方です。

素材・色・柄で避けるべきデザイン

葬儀や法事などのフォーマルな場面では、服のデザインだけでなく、素材や色、柄といった細部にまで注意が必要です。
たとえシャツやスーツの形が適切でも、それ以外の要素で印象が損なわれてしまうことがあります。

まず避けたいのは、光沢の強い素材です。
サテンやシルク調の生地は見た目に高級感がありますが、弔事では「華やかすぎる」と受け取られる場合があります。
フォーマルな場では、ブロードクロスのように光沢の少ないマットな素材が適しています。

また、色については白を基本とし、黒、グレー、ネイビーなどは避けたほうがよいでしょう。
一見控えめに見える濃色であっても、喪服の礼装では「白いシャツ」が基本であるというルールが根付いています。
色付きのシャツは「配慮が足りない」と感じられることがあるため注意が必要です。

柄に関しても、以下のようなものは避けるようにしましょう。

・ストライプ柄（特に黒とのコントラストが強いもの）
・チェック柄やドット柄
・白地に織り模様が入っているシャツ

こうした柄は一見目立たないように見えても、光の加減や見る角度によって印象が変わるため、無地であることが最も無難です。

また、シャツ以外でも素材や柄には注意が必要です。
たとえば、スーツにストライプが入っていたり、靴に金具が付いていたりする場合、それがマナー違反と見なされることがあります。
できるだけ装飾性のない、地味な印象を心がけましょう。

このように、素材・色・柄の組み合わせによってフォーマルさの印象は大きく変わります。
服選びの際には「控えめで目立たない」ことを基準にし、派手さやおしゃれさを意識しすぎないようにすることが重要です。

ジャケットやネクタイとの正しい組み合わせ

弔事にふさわしい服装を整える際には、シャツ単体だけでなく、ジャケットやネクタイの選び方とその組み合わせにも注意が必要です。
全体として落ち着いた印象を与えるためには、色・素材・形のバランスを意識しなければなりません。

まずジャケットについてですが、色は黒が基本です。
ダークグレーや濃紺でもマナー違反にはなりませんが、できるだけ黒に近い色合いを選ぶほうが無難です。
喪服が用意できない場合でも、ビジネススーツの黒やダーク系のスーツであれば代用可能です。

ジャケット選びで注意したいのは次のポイントです。

・光沢のないマットな生地であること
・シンプルなデザインで派手なステッチや装飾がないこと
・肩や袖が自分の体型に合っていて、だらしなく見えないこと

次にネクタイですが、葬儀や通夜では黒無地が基本です。
目立たない織り柄であっても、見る人によっては気になることがあるため、無地を選ぶのが確実です。
また、以下のようなネクタイは避けましょう。

・光沢が強く、光を反射するような素材
・ストライプやドット、ブランドロゴが目立つもの
・派手な織り柄や立体的な装飾があるもの

ネクタイの長さは、ベルトにかかる程度が適正です。
短すぎると子どもっぽい印象になり、長すぎるとだらしなく見えてしまいます。

組み合わせ方としては、白無地のシャツ・黒のジャケット・黒無地のネクタイというシンプルな構成が最も基本的であり、安心です。
余計な色や柄を加えないことで、弔意を表す服装として失礼がないスタイルとなります。

また、シャツやジャケットにシワがあると、どんなに組み合わせが正しくても印象が悪くなる可能性があります。
前日にアイロンをかけたり、クリーニングに出したりするなどして、清潔感のある状態で着用しましょう。

このように、ジャケットとネクタイの選び方とその組み合わせによって、フォーマル度と礼儀正しさが大きく変わってきます。
派手さを避け、落ち着きと整った印象を大切にすることが重要です。

急な葬儀でも失礼にならない服装の工夫

突然の訃報で急いで葬儀に向かうことになった場合、十分な準備ができないまま出席することもあります。
そのような場面では、手持ちの服の中から最も落ち着いた服装を選びつつ、できる限り失礼のないように工夫することが求められます。

まずはスーツですが、喪服がない場合は黒や濃紺、ダークグレーのビジネススーツでも対応可能です。
スーツの色が暗めであれば、場の雰囲気を壊すことなく参加できます。
ただし、光沢のある素材や、ストライプ柄がはっきりしているものは避けましょう。

次にシャツについてです。
白無地のシャツであれば問題ありませんが、ボタンダウンシャツしかない場合は、襟のボタンを外し、上着を着たままにすることでカジュアル感を抑えることができます。
模様の入ったシャツや、色付きのシャツは避けるようにしましょう。

ネクタイが黒無地でない場合でも、なるべくシンプルで暗めの色のものを選ぶことで目立ちにくくすることが可能です。
たとえ完全にマナー通りでなくても、「きちんとしようとしている」という姿勢が相手に伝わることが大切です。

また、小物や足元の装いも印象に影響します。
以下のポイントを押さえておくと、より丁寧な印象になります。

・靴は黒の革靴（プレーントゥやストレートチップが理想）
・靴下は無地の黒
・ベルトも黒で光沢が控えめなもの
・バッグは持たないか、黒のシンプルなものにする
・アクセサリーは外しておく

このように、急な葬儀であっても「清潔感があり、落ち着いた服装」であれば、ある程度マナーは守られていると受け取られます。

可能であれば、日常的に一式揃えておくのが理想ですが、そうでない場合は、手持ちの服の中で最もふさわしいものを選び、細かい部分で調整することがポイントです。

外見を整えることは、故人への敬意を表すと同時に、周囲への配慮にもつながります。
「完璧な服装」よりも「誠意の感じられる装い」を意識して臨むようにしましょう。

まとめ：葬式でボタンダウンのボタンは外すべき？

葬式にボタンダウンシャツを着用する場合、マナーとして最も重要なのが「襟のボタンを外すこと」です。
ボタンダウンシャツはもともとカジュアルなアイテムであり、フォーマルな場にはふさわしくないとされていますが、工夫次第で対応は可能です。

以下の点に注意すれば、急な訃報にも丁寧に対応できます。

・襟元のボタンを外し、自然な開きに整える
・白無地で清潔感のあるシャツを選ぶ
・黒や濃紺のジャケットでシャツを隠しつつ印象を調整する
・ネクタイは光沢のない黒無地を使用する
・ジャケットは室内でも脱がずに着用を続ける

こうした配慮を加えることで、「弔意をきちんと表した装い」として見られやすくなります。
完全な礼服でなくても、相手や場に敬意を持って対応しようとする姿勢が、最も大切といえるでしょう。