葬式でのタイピンはマナー違反?正しい選び方と付け方を解説

葬式でのタイピンはマナー違反?正しい選び方と付け方を解説 葬式
葬式の知恵袋・イメージ

急な訃報を受け、喪服の準備をしているとき、「このタイピン、葬式に付けていって大丈夫かな?」とふと手が止まってしまった経験はありませんか?

普段、何気なく使っているタイピンですが、お葬式という厳粛な場ではマナー違反にならないか心配になりますよね。アクセサリーの扱いは特に気を使うポイントです。

結論から言うと、葬式でのタイピンは基本的に不要とされています。しかし、マナーを守れば着用が許されるケースもあります。

この記事では、葬儀に参列する際のタイピンの扱いに悩んでいるあなたのために、以下の点を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。

  • 葬式でタイピンが「不要」とされる理由
  • どうしても着用したい場合の正しい選び方(デザイン・色・素材)
  • 失敗しないタイピンの付け方と位置
  • お通夜や法事でのマナーの違い

この記事を最後まで読めば、葬式でのタイピンに関するあらゆる疑問が解消され、自信を持って故人様とのお別れに臨むことができます。ぜひ、参考にしてください。

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結論:葬式でのタイピンは基本的に不要だが、マナーを守れば着用可

まず、一番気になる結論からお伝えします。お葬式や告別式といった弔事の場において、タイピンは「必ず着けなければならないもの」ではなく、むしろ「基本的には着けない方が無難」なアイテムです。

大谷
大谷

迷ったら付けないのが一番安心です。余計な心配をせず、故人を偲ぶことに集中できますからね。

なぜ葬式でタイピンは「不要」と言われるのか?

なぜ、タイピンは不要とされるのでしょうか。それには、葬儀における服装の基本的な考え方が関係しています。

光り物は避けるのが大原則

葬儀の場では、光沢のあるものや華美な装飾品は避けるのが鉄則です。「殺生」を連想させる動物の革製品が避けられるのと同じように、「光り物」は慶事を連想させたり、派手な印象を与えたりするため、弔事にはふさわしくないとされています。

タイピンの多くは金属製で光を反射しやすいため、この原則に抵触してしまうのです。

アクセサリーは結婚指輪以外は外すのが基本

男性が身に着けるアクセサリーは、基本的に結婚指輪のみとされています。タイピンはネクタイを固定する実用的な側面もありますが、「装飾品」としての意味合いが強いと見なされることが多いため、外すのがマナーとされています。

それでもタイピンを着用したい場合の考え方

では、絶対に付けてはいけないのかというと、そうとも限りません。例えば、強風の日の屋外での告別式や、立ったり座ったりする動作が多くネクタイの乱れが気になるときなど、実用的な目的で着用したい場合もあるでしょう。

その場合は、タイピンを「おしゃれのためのアクセサリー」ではなく、あくまで「身だしなみを整えるための実用品」として捉えることが大切です。その上で、マナーに沿ったものを選び、控えめに着用することが求められます。

【重要】葬式で許されるタイピンの選び方|デザイン・色・素材

もしタイピンを着用する場合、どのようなものを選べばマナー違反にならないのでしょうか。ここでは「デザイン」「色」「素材」の3つのポイントに分けて、具体的に解説します。

大谷
大谷

私も一つ、弔事用の艶消しブラックのタイピンを持っています。いざという時のお守りのようなものですね。

デザイン:シンプルで光沢のないものを選ぶ

何よりもまず、華美な印象を与えないシンプルなデザインであることが絶対条件です。

避けるべきデザイン

  • 動物やキャラクターのモチーフ
  • ブランドロゴが大きく目立つもの
  • チェーンが付いているもの
  • 派手な彫刻や装飾が施されているもの

おすすめのデザイン

  • 無地で直線的なバータイプ
  • 装飾が一切ない、ごくシンプルなもの

光を反射しにくい、ヘアライン仕上げ(髪の毛のような細かい筋目を入れた加工)やマット(艶消し)加工のものを選ぶのが最も賢明です。

色:シルバーか黒を選ぶのが無難

色は、光沢のないシルバー黒(ブラック)の2択と考えましょう。

ゴールドは絶対にNG

金色は慶事を強くイメージさせる色であり、お祝いの席で使うものです。葬儀の場では最もふさわしくない色ですので、ゴールドのタイピンは絶対に避けましょう。

シルバーでも艶消し加工がベスト

シルバーは許容範囲とされていますが、鏡のようにピカピカ光るものは避けるべきです。前述の通り、艶を抑えたマットな質感のものを選んでください。

素材:石なし、または黒い石を選ぶ

宝石などの石が付いているものは、基本的に装飾品と見なされるためNGです。石が付いていない「石なし」が最も安全です。

もし石付きのものを選ぶ場合は、光を反射しない黒曜石(オニキス)や黒真珠など、黒い石に限られます。ただし、石自体にカットが施されていると光りやすいため、注意が必要です。

真珠(パール)のタイピンはあり?

女性のアクセサリーとして、真珠は「涙の象徴」とされ、葬儀での着用が認められています。しかし、男性のタイピンの場合は話が別です。

白い真珠は光沢があり、男性の服装の中では目立ちすぎてしまう可能性があります。意見が分かれる部分ではありますが、基本的には避けた方が無難と言えるでしょう。もし着用するなら、光沢の少ない黒真珠を選ぶなどの配慮が必要です。

 

葬式でのタイピンOK・NG早見表
項目 OK(許容範囲) NG(避けるべき)
デザイン 無地、シンプルなバータイプ、マット加工 ロゴ、モチーフ、チェーン付き、華美な装飾
光沢のないシルバー、黒 ゴールド、その他明るい色
素材・石 石なし、オニキスなど光らない黒い石 ダイヤモンドなど光る石、白い真珠

葬儀で失敗しないタイピンの正しい付け方と位置

タイピンを付ける際は、その位置も重要です。目立ちすぎず、かつ機能性を損なわない位置を意識しましょう。

ジャケット着用時の正しい位置

ジャケット(上着)を着ている場合は、ジャケットの第一ボタンの少し上あたりに、ワイシャツとネクタイ(大剣と小剣)を一緒に留めます。

この位置であれば、ジャケットのVゾーンからわずかに見える程度で、主張しすぎません。外からはほとんど見えないか、少しだけ見えるくらいがベストです。

ジャケットを脱いだ時の正しい位置

夏場の葬儀や、会食の場でジャケットを脱ぐこともあるかと思います。その場合は、ワイシャツの上から数えて第4ボタンと第5ボタンの間あたりに留めるのが一般的です。これより上だとタイピンが目立ちすぎ、下すぎるとだらしない印象になってしまいます。

大谷
大谷

ネクタイを少し持ち上げて、ふんわりと立体感を出すように留めると、見た目もきれいでネクタイも傷みにくいですよ。

【年代別】葬式でのタイピン着用に関する考え方

タイピンを付けるかどうかは、ご自身の年齢や立場によっても考え方が少し変わってくるかもしれません。

20代・30代の場合

若い世代の方は、基本的にはタイピンを付けない方が無難です。まだ社会経験も浅い中で、マナーについて周囲から厳しく見られる可能性もゼロではありません。シンプルに、黒のネクタイをきちんと締めていれば、それで十分です。

40代・50代以上の場合

40代、50代と年齢を重ね、社会的な立場も上がってくると、身だしなみの一環として落ち着いたアクセサリーを身に着けることが許容されやすくなります。親族として参列する場合や、会社の代表として参列する場合など、きちんとした印象が求められる場面では、マナーに沿った控えめなタイピンであれば着用しても問題ないでしょう。

ただし、あくまで故人を偲ぶ場であることに変わりはありません。どの年代であっても、「迷ったら付けない」という基本姿勢を忘れないようにしましょう。

お通夜や法事でのタイピンはどうする?

葬儀・告別式以外の弔事では、タイピンの扱いはどうなるのでしょうか。

お通夜の場合

お通夜は、もともと「訃報を聞き、急いで駆けつける」という意味合いが強い儀式です。そのため、葬儀・告別式以上に装飾品は避けるべきとされています。お通夜でのタイピンの着用は、控えましょう。

法事(四十九日、一周忌など)の場合

四十九日や一周忌、三回忌といった法事では、回を重ねるごとに服装のマナーも少しずつ緩やかになっていきます。

一般的に、三回忌以降の法事であれば、落ち着いたデザインのタイピンであれば着用しても問題ないとされることが多いです。ただし、これも施主(主催者)の意向や、その場の雰囲気によります。親族だけの内輪の法事なのか、多くの方が集まるのかによっても変わりますので、状況に合わせて判断することが大切です。

まとめ

今回は、お葬式でのタイピンのマナーについて、選び方から付け方まで詳しく解説しました。最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 葬式でのタイピンは基本的に不要。迷ったら付けないのが最も安全。
  • もし着用するなら「実用品」として考え、光沢のないシンプルなデザインを選ぶ。
  • 色は艶消しのシルバーか黒。ゴールドは絶対にNG。
  • デザインは無地のバータイプが無難。石は無いものがベスト。
  • 付ける位置はジャケットのVゾーンから少し見える程度に控えめに。
  • お通夜では着用を避け、法事では回忌によって判断する。

葬儀で最も大切なのは、マナーや形式以上に、故人を心から偲び、ご遺族に寄り添う気持ちです。服装のことで余計な心配をせず、穏やかな心でお別れの時間を過ごせるように、この記事がお役に立てれば幸いです。

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【参考資料】

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【この記事を書いた人】
大谷

「葬式の知恵袋」運営者の大谷です。

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