突然の訃報に、心を痛めていることとお察しいたします。
悲しみの中で、葬儀の準備を進めるのは本当に大変なことですよね。「何を持っていけばいいんだろう?」「マナー違反にならないかな?」と、持ち物に関する不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
特に女性の場合、ストッキングの準備やメイク道具など、男性とは少し異なる視点での準備も必要になります。
この記事では、女性が葬儀に参列する際に必要な持ち物を、網羅的にまとめたチェックリストをご用意しました。絶対に忘れてはいけない基本の持ち物から、持っていると安心なアイテム、さらには急な訃報で役立つコンビニ調達術まで、これさえ読めば万全の準備ができます。
この記事を参考にして、少しでも落ち着いて故人様とのお別れの時間を過ごせるよう、お手伝いができれば幸いです。

まずはこれだけ!絶対に外せない葬式の基本持ち物チェックリスト
まずは、立場や性別に関わらず、誰もが準備すべき必須の持ち物から確認しましょう。これさえあれば、最低限のマナーは守れます。
抜け漏れがないように、一つひとつチェックしてみてくださいね。
- ☑ 香典(不祝儀袋)
- ☑ 袱紗(ふくさ)
- ☑ 数珠(じゅず)
- ☑ 黒、または白の無地ハンカチ
- ☑ 財布(必要最低限の現金)
- ☑ スマートフォン・携帯電話
- ☑ 小さめの黒いバッグ
香典(不祝儀袋)
故人への弔意を示すために持参します。金額の相場や表書きのマナーについては、後ほど詳しく解説しますね。
新札は「不幸を予期していた」という意味合いで避けるのがマナーです。もし新札しかない場合は、一度折り目を付けてから入れるようにしましょう。
袱紗(ふくさ)
香典袋を汚したり、水引が崩れたりするのを防ぐために使います。受付で香典を渡す際に、バッグから直接出すのではなく、袱紗から取り出すのが正式なマナーです。
弔事では、紫や紺、深緑、グレーなどの寒色系の色の袱紗を選びましょう。紫色の袱紗は慶弔両用で使えるので、一つ持っておくと便利です。

数珠(じゅず)
仏式の葬儀に参列する際の仏具です。焼香の際に手にかけ、故人への敬意と弔意を示します。宗派によって形が異なりますが、ご自身の宗派のものか、どの宗派でも使える略式数珠で問題ありません。
もし持っていなければ、無理に用意する必要はありません。大切なのは故人を悼む気持ちです。ただし、貸し借りはマナー違反とされているので注意しましょう。
ハンカチ・ティッシュ
涙を拭いたり、ちょっとした時に使ったりと、ハンカチは必需品です。色は黒か白の無地を選びましょう。派手な色や柄物、タオル地のものはカジュアルな印象を与えるため避けるのが無難です。
ポケットティッシュも、ケースが無地や落ち着いた色のものであれば問題ありません。
【女性ならでは】持っていると安心な持ち物と身だしなみ
ここからは、女性が特に持っていると安心できるアイテムをご紹介します。「あってよかった!」と思う場面がきっとあるはずです。
予備のストッキング
これは女性にとっての最重要アイテムと言っても過言ではありません。黒のストッキングは、些細なことで伝線しやすいもの。会場で伝線に気づいて青ざめる…なんてことがないように、必ず予備をバッグに忍ばせておきましょう。
厚さは肌がうっすら透ける30デニール以下が望ましいとされています。
メイク直し道具
葬儀の場では、ナチュラルメイクが基本です。しかし、涙でメイクが崩れてしまうこともありますよね。
フルセットを持ち歩く必要はありません。パウダー、口紅(ベージュ系など派手でない色)、綿棒など、最低限のアイテムを小さなポーチに入れておくと安心です。ラメやパールの入ったものは避けましょう。

ヘアゴム・ヘアピン
髪が長い方は、黒のシンプルなヘアゴムやヘアピンで、清潔感のあるまとめ髪にするのがマナーです。焼香の際に髪が顔にかからないようにするためにも、準備しておくと良いでしょう。
手鏡
お手洗いに行かずとも、さっと身だしなみを確認できるので便利です。髪の乱れやメイク崩れをチェックする際に役立ちます。
葬式にふさわしいバッグの選び方と中身のマナー
持ち物を入れるバッグにもマナーがあります。どんなバッグを選べば良いのか、ここでしっかり確認しておきましょう。
バッグの大きさとデザインの基本
黒色で、光沢のない布製の小さめなハンドバッグが基本です。金具が目立つものや、殺生を連想させる革製品(本革・合成皮革問わず)、アニマル柄は避けましょう。
大きさは、先ほど紹介した必需品が入る程度の小ぶりなものが理想です。大きすぎるバッグはフォーマルな場にふさわしくないとされています。
サブバッグは必要?どんなものがいい?
「ハンドバッグだけでは荷物が収まらない…」という場合もありますよね。特に、遠方からの参列や、冬場でコートを脱いだ時など、荷物が増えがちです。
そんな時は、黒無地のシンプルなサブバッグを用意しましょう。光沢のない布製で、A4サイズ程度のものが便利です。会場内ではクロークに預けたり、椅子の下に置いたりするため、派手なものは避けましょう。
意外と知らない?香典の準備と金額の相場
持ち物の中でも特に準備に気を使うのが「香典」ではないでしょうか。失礼のないよう、基本的なマナーと金額の相場を解説します。
香典袋の選び方と表書きのルール
香典袋は、故人の宗教・宗派に合わせて選びます。
- 仏式:「御霊前」「御香典」。蓮の花が描かれたものが一般的。
- 神式:「御玉串料」「御榊料」。
- キリスト教式:「御花料」。十字架やユリの花が描かれたもの。
宗派がわからない場合は、どの宗教でも使える「御霊前」と書かれたものを選ぶのが最も無難です。ただし、浄土真宗では「御仏前」を使いますので、もし分かっていれば合わせましょう。
表書きは、薄墨の筆ペンで書くのが正式なマナーです。「涙で墨が薄まった」という悲しみを表現するためです。
故人との関係性で見る金額の目安
香典に包む金額は、故人との関係性やご自身の年齢によって変わります。以下に一般的な相場をまとめましたので、参考にしてください。
故人との関係 | 金額の相場 |
---|---|
親 | 5万円~10万円 |
兄弟・姉妹 | 3万円~5万円 |
祖父母 | 1万円~3万円 |
その他の親戚 | 5千円~2万円 |
友人・知人・同僚 | 5千円~1万円 |
※「4」や「9」など、死や苦を連想させる数字の金額は避けるのが一般的です。
【状況別】これもあると便利!持ち物リスト(季節・天候・立場)
基本的な持ち物に加え、季節や状況に応じて準備しておくと、より快適に、そしてスマートに過ごせます。
夏の葬式で役立つ持ち物
- 扇子(黒無地などシンプルなもの): 冷房が効きすぎていない場所で役立ちます。
- 汗拭きシート(無香料): ベタつきが気になる時に。
- 日傘(黒無地): 行き帰りの日差し対策に。
冬の葬式で役立つ持ち物
- カイロ: 特に足元が冷えやすいので、貼るタイプも便利です。
- ひざ掛け(黒や紺など地味な色): 待ち時間や式中に足元が冷えるのを防ぎます。
- 暖かいインナー: 外と室内の寒暖差に対応できるように。
受付係を頼まれた場合の持ち物
- 筆記用具(黒ボールペン・筆ペン): 芳名帳の記入や、予期せぬ事態に備えて。
- 小さめの電卓: 香典の集計を手伝う際に役立つことがあります。
- 腕時計: 時間の確認がスムーズにできます。スマートフォンでの確認は避けましょう。
急な訃報でも慌てない!コンビニで揃う葬式の持ち物
「仕事先で訃報を受け、一度も家に帰れずにお通夜へ」といった緊急事態も考えられますよね。そんな時でも、コンビニや100円ショップを上手に活用すれば、最低限の準備は可能です。
コンビニで買えるものリスト
- 香典袋(不祝儀袋): 文具コーナーに置いてあることが多いです。
- 筆ペン(薄墨タイプがあればベスト): 香典の表書きに使います。
- 黒のストッキング: 衣料品コーナーで探してみましょう。
- 白い無地のハンカチ: タオル地でないものを選びます。
- ポケットティッシュ: シンプルなデザインのものを選びます。
- ATMでお金をおろす: 新札しかなくても、折り目を付ければ大丈夫です。

100円ショップも活用しよう
もし時間に少し余裕があれば、100円ショップも覗いてみましょう。袱紗や数珠、黒い靴下、シンプルなヘアアクセサリーなどが見つかることもあります。
まとめ
今回は、女性が葬儀に参列する際の持ち物について、チェックリスト形式で網羅的に解説しました。最後に、特に重要なポイントをおさらいしましょう。
- 必須の持ち物:香典、袱紗、数珠、ハンカチは基本中の基本です。
- 女性ならではのアイテム:予備のストッキングは必ずバッグに入れておきましょう。
- 服装とバッグ:光沢のない黒で、殺生を連想させない素材を選びます。
- 香典マナー:金額は関係性で判断し、薄墨で「御霊前」と書くのが無難です。
- 緊急時:コンビニを賢く利用すれば、最低限の準備は可能です。
持ち物の準備は、故人を心から悼むための準備でもあります。マナーを守り、失礼のないようにすることで、気持ちにも余裕が生まれます。
このチェックリストが、あなたの不安を少しでも和らげ、落ち着いて故人様とのお別れの時を過ごすための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
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