葬式のお坊さんに払うお金はいくら?お布施の相場と内訳を解説

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葬式の知恵袋・イメージ

大切な方が亡くなり、悲しみに暮れる中で進めなければならない葬儀の準備。本当に大変ですよね。

中でも多くの方が頭を悩ませるのが、お坊さん(僧侶)にお渡しするお布施の金額ではないでしょうか。

直接尋ねるのも気が引けますし、「お気持ちで」と言われると、かえって相場が分からず困ってしまいます。

この記事では、そんなあなたの不安を少しでも和らげるために、葬儀でお坊さんにお支払いするお金の相場や内訳、そして失礼にあたらない渡し方のマナーまで、一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を読み終える頃には、自信を持ってお布施の準備ができるようになっているはずです。

筆者
大谷
僕も祖父の葬儀の際、お布施の金額で本当に悩みました。この記事は、当時の僕が知りたかった情報を詰め込んでいます!
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葬儀でのお布施、気になる相場は?総額の目安を解説

まず、一番気になるお布施の総額から見ていきましょう。お布施は、葬儀の形式やお寺との関係性、地域によって変動しますが、一般的な相場というものは存在します。

一般的な葬儀(通夜・告別式)のお布施相場

通夜と告別式の2日間にわたる一般的な葬儀の場合、お布施の全国的な相場は30万円~60万円程度と言われています。これには後述する「読経料」と「戒名料」が含まれていることがほとんどです。

ただし、これはあくまで目安です。お寺との付き合いが長かったり、社会的地位の高い戒名を授かったりした場合は、これよりも高くなることもあります。

筆者
大谷
「お気持ちで」と言われたら、この金額の範囲で、ご自身の感謝の気持ちや経済状況に合わせて決めるのが良いでしょう。

お布施の内訳とは?主に「読経料」と「戒名料」

お布施と一括りに言われますが、その中身は主に「読経料」と「戒名料」の2つに分けられます。この内訳を理解すると、金額設定の考え方が分かりやすくなりますよ。

読経料の目安

読経料とは、通夜や告別式、火葬場などで僧侶にお経をあげていただくことへの感謝の気持ちです。相場としては15万円~30万円程度が一般的です。葬儀の日数や、お越しいただく僧侶の人数によっても変動します。

戒名料の目安とランクによる違い

戒名料は、故人様が仏様の弟子になった証として授かる名前「戒名(かいみょう)」に対するお礼です。実は、この戒名にはランク(位号)があり、それによってお布施の金額が大きく変わります。ここが総額に最も影響する部分と言えるでしょう。

以下に、宗派や地域によって異なりますが、一般的な戒名のランクと相場の目安をまとめました。

ランク(位号) 一般的な相場 どのような方が授かるか
信士・信女 10万円~30万円 最も一般的な位号
居士・大姉 30万円~80万円 社会的に貢献した方、信仰心の篤かった方
院信士・院信女 50万円~ お寺への貢献度が高い方など
院居士・院大姉 100万円~ 特に貢献度が高く、社会的地位も高かった方

どの戒名を授かるかは、故人の生前の信仰心やお寺への貢献度、ご遺族の希望などを考慮して、お寺のご住職と相談して決めるのが一般的です。もし希望がなければ、お寺側が故人にふさわしい戒名を考えてくださいます。

お布施以外にも必要?お坊さんにお渡しする費用の種類

葬儀では、お布施とは別に「お車代」や「御膳料」をお渡しする場合があります。これらは必ずしも必要というわけではありませんが、状況に応じて準備しておくと、より丁寧な対応ができます。

お車代とは?相場と渡すケース

お車代は、僧侶に葬儀会場まで足を運んでいただいた際の交通費としてお渡しするものです。

  • 渡すケース:僧侶ご自身の車や公共交通機関で来ていただいた場合。
  • 不要なケース:こちらで送迎を手配した場合や、お寺で葬儀を行った場合。
  • 相場:5,000円~1万円程度。遠方の場合は実費に近い金額をお包みします。

御膳料とは?相場と渡すケース

御膳料は、葬儀後の会食(精進落としなど)に僧侶が参加されない場合に、お食事の代わりとしてお渡しするものです。

  • 渡すケース:会食の席を設けたものの、僧侶がご都合により辞退された場合。
  • 不要なケース:僧侶が会食に参加された場合や、そもそも会食の席を設けていない場合。
  • 相場:5,000円~1万円程度が一般的です。
筆者
大谷
お車代と御膳料は、お布施とは別の封筒に用意します。表書きはそれぞれ「お車代」「御膳料」と書きましょう。

心付けは必ず必要?

タクシーの運転手さんや火葬場のスタッフの方などにお渡しする「心付け」。昔は習慣としてありましたが、現在では基本的に不要です。多くの公営斎場では、心付けの受け取りを禁止しています。感謝の気持ちは、言葉で伝えるのが一番スマートですね。

【マナー違反は避けたい】お布施の正しい渡し方とタイミング

お布施は感謝の気持ちを表すものですから、失礼のないように丁寧にお渡ししたいですよね。ここでは、封筒の準備から渡すタイミングまで、一連のマナーを解説します。

お布施を入れる封筒の選び方と表書きの書き方

まずはお布施を包む封筒の準備です。どんな封筒を選び、何と書けばよいのでしょうか。

封筒の種類

お布施を入れるのに最も適しているのは、郵便番号欄のない無地の白い封筒です。奉書紙(ほうしょがみ)という和紙で包むのが最も丁寧ですが、市販の白無地の封筒で全く問題ありません。

注意点として、水引が付いている「不祝儀袋」は使いません。不祝儀袋は、香典など「不幸があった家へ渡す金品」に使うものであり、僧侶への感謝の気持ちであるお布施には用いないのがマナーです。

表書きの書き方(宗派による違いも)

封筒の表面、上段中央に「御布施」または「お布施」と書きます。そして、その下に喪主の氏名(フルネーム)または「〇〇家」と書きましょう。使用する筆記用具は、濃い墨の筆ペンや毛筆が適しています。薄墨は香典で使うものなので、お布施には使いません。

裏面の書き方

裏面には、住所、氏名、そして包んだ金額を記入します。金額は「金 〇〇圓」のように、旧字体の漢数字(壱、弐、参など)を使うのがより丁寧ですが、算用数字(1,2,3)でも問題ありません。

お金の入れ方と新札を避ける理由

お札は、肖像画が描かれている面が封筒の表側の上に来るように揃えて入れます。向きを揃えることで、丁寧な気持ちが伝わります。

また、お布施には新札を使っても問題ありません。香典で新札を避けるのは「不幸を予期して準備していた」と受け取られるのを避けるためですが、お布施は感謝の気持ちなので、むしろ綺麗な新札を用意する方が丁寧とされることもあります。ただし、あまりにピンピンの新札が気になる場合は、一度折り目を付けてから入れると良いでしょう。

いつ、誰が、どのように渡す?最適なタイミングと言葉

お渡しするタイミングに決まりはありませんが、一般的には以下のいずれかのタイミングでお渡しすることが多いです。

  • 葬儀が始まる前の挨拶の時
  • 葬儀がすべて終了し、僧侶がお帰りになる前の挨拶の時

喪主が直接お渡しするのが基本です。渡す際は、直接手渡しするのではなく、切手盆(きってぼん)という小さなお盆に乗せて渡すのが最も丁寧な作法です。もしお盆がなければ、袱紗(ふくさ)に包んで持参し、渡す直前に袱紗から取り出して、袱紗の上に乗せてお渡しします。

お渡しする際は、次のような挨拶を添えると良いでしょう。

「本日は、心のこもったお勤めをいただき、誠にありがとうございました。些少ではございますが、どうぞお納めください。」

お布施の金額に悩んだら?直接聞いてもいいの?

相場は分かったけれど、やはり自分の場合はいくらが適切なのか悩んでしまう…そんな時の対処法をご紹介します。

菩提寺がある場合の確認方法

先祖代々お世話になっているお寺(菩提寺)がある場合は、率直に尋ねてみるのが一番確実です。「皆様、おいくらくらいお包みされていますでしょうか?」と、他の方の例を伺う形で聞くと、角が立ちにくいでしょう。葬儀社の方に間に入ってもらって確認するのも一つの方法です。

筆者
大谷
「お布施は決まっておりませんのでお気持ちで」と言われたら、この記事で紹介した相場を参考に検討してみてくださいね。

菩提寺がない場合は「僧侶派遣サービス」も選択肢に

近年、菩提寺を持たないご家庭が増えています。そういった場合に便利なのが「僧侶派遣サービス」です。インターネットや葬儀社を通じて、希望の宗派の僧侶を定額で手配してもらうことができます。

僧侶派遣サービスのメリット・デメリット

  • メリット:料金体系が明確(お布施、お車代、御膳料などが全て込みの場合が多い)、お寺との檀家付き合いが発生しない。
  • デメリット:派遣される僧侶と初対面になる、サービスによっては納骨や法要の相談がしにくい場合がある。

料金体系が明確で安心

僧侶派遣サービスの最大の魅力は、料金が予め明示されていることです。「通夜・告別式の読経で〇〇円」といったようにパッケージ化されているため、後から追加費用を請求される心配が少なく、安心して依頼できます。

宗派によってお布施の金額は変わる?

「うちは〇〇宗だけど、相場は違うの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

主な宗派による考え方の違い

結論から言うと、お布施の金額相場に、宗派による大きな違いはあまり見られません。浄土真宗のように戒名(法名)に対するお布施が不要とされる宗派もありますが、その分、別の名目でお渡しすることが多く、総額としては他の宗派と大差ないことが多いです。

それよりも、お寺の格や、故人・遺族とのお付き合いの深さの方が、金額に大きく影響すると言えるでしょう。

地域による相場の違いも考慮しよう

宗派の違いよりも注意したいのが、地域差です。都市部では相場が高くなる傾向があり、地方では比較的抑えめなことが多いです。親戚や、地域の事情に詳しい葬儀社の方に相談してみると、より実情に合った金額を知ることができるでしょう。

もっと知りたい!葬儀のお金に関するQ&A

最後に、お布施に関してよくある質問をまとめました。

お布施は分割で支払える?

経済的な事情で一括での支払いが難しい場合、お寺によっては分割払いに応じてくれることもあります。非常にデリケートな問題ですので、まずは正直に、そして誠意をもってご住職に相談してみましょう。

お布施は経費として計上できる?(香典返しとの関係)

お布施は宗教的行為への謝礼であり、税法上は寄付金として扱われますが、相続税の計算上、葬式費用として控除の対象になります。領収書が出ない場合が多いので、いつ、誰に、いくら支払ったかをメモしておくことが重要です。香典返しは葬式費用には含まれませんので注意しましょう。

家族葬の場合、お布施は安くなる?

家族葬だからといって、お布施が安くなるわけではありません。なぜなら、僧侶が行う儀式の数や内容は、一般葬と変わらないからです。僧侶にしていただく供養の価値は、参列者の人数によって変わるものではない、と考えると分かりやすいかもしれませんね。

まとめ

今回は、葬儀でお坊さんにお渡しするお布施について、相場からマナーまで詳しく解説しました。

最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 一般的な葬儀のお布施相場は30万円~60万円が目安。
  • 内訳は主に「読経料」と「戒名料」で、戒名のランクで大きく変動する。
  • 状況に応じて「お車代」「御膳料」を別途用意する。
  • お渡しする際は、白い封筒に入れ、切手盆や袱紗を使って丁寧に渡すのがマナー。
  • 金額に悩んだら、菩提寺や葬儀社に相談するか、料金が明確な僧侶派遣サービスも検討する。

お布施は、故人を弔ってくださった僧侶への純粋な感謝の気持ちです。相場はあくまで一つの目安として、ご自身の感謝の気持ちを大切に、無理のない範囲で準備することが何よりも重要です。

この記事が、あなたの不安を少しでも軽くし、心穏やかに故人様をお見送りする一助となれば幸いです。

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【参考資料】

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【この記事を書いた人】
大谷

「葬式の知恵袋」運営者の大谷です。

私自身の経験から、葬儀に関する不安や疑問を抱える方々の力になりたいと願い、このサイトを立ち上げました。

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※記事の執筆には一部AIを利用しております。AIの回答には間違いが含まれている場合があり、必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。誤情報による記事の修正依頼はお問い合わせページよりお願いします。
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