葬式の受付の挨拶、どうすれば?文例とマナーを徹底解説!

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葬式の知恵袋・イメージ

突然、葬儀の受付を頼まれて、「何から準備すればいいの?」「弔問客になんて挨拶すれば失礼にならないだろう…」と、不安な気持ちでいっぱいになっていませんか?

故人を悼む大切な儀式で、受付という大役を任されるのは、信頼されている証です。しかし、初めての経験であれば、緊張してしまうのも当然のことですよね。

ご安心ください。この記事では、葬儀の受付係が知っておくべき挨拶の具体的な文例から、当日の流れ、服装や持ち物、そして予期せぬ事態への対処法まで、あなたが自信を持って受付を務められるように、一つひとつ丁寧に解説していきます。

この記事を最後まで読めば、受付係としての役割とマナーが完全に理解でき、落ち着いて故人をお見送りするお手伝いができるようになりますよ。

筆者
大谷
僕も初めて受付を頼まれた時は本当に緊張しました。でも、事前に流れと挨拶を覚えるだけで、心に余裕が生まれますよ。
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葬式の受付を頼まれたら?まずは心構えと役割を理解しよう

受付の挨拶を覚える前に、まずは「なぜ受付係が必要なのか」「何をすべきなのか」という役割の本質を理解することが大切です。これが分かれば、おのずと適切な立ち居振る舞いや言葉遣いが身についてきます。

受付係の重要な役割とは?

葬儀の受付係は、単に香典を受け取るだけが仕事ではありません。主な役割は以下の通りです。

  • ご遺族の代理として弔問客をお迎えする
  • 弔問客からお悔やみの言葉を受け、香典をお預かりする
  • 芳名帳(ほうめいちょう)への記帳をお願いする
  • 返礼品(会葬御礼品)をお渡しする
  • 式場内へご案内する

つまり、受付はご遺族に代わって最初に弔問客と接する「葬儀の顔」とも言える非常に重要なポジションなのです。あなたの丁寧な対応が、葬儀全体の印象を左右することもあります。

覚えておきたい基本の心構え

受付係を務める上で、以下の心構えを持っておきましょう。

  1. 丁寧で落ち着いた対応を心がける
    弔問客は故人を悼む悲しい気持ちでいらっしゃいます。早口になったり、慌ただしい態度を見せたりせず、落ち着いてゆっくりと対応しましょう。
  2. 感謝の気持ちを伝える
    弔問客は、忙しい中、故人のために足を運んでくださっています。そのことへの感謝の気持ちを「本日はお忙しい中、ありがとうございます」といった言葉で伝えましょう。
  3. ご遺族の負担を軽減する
    あなたが受付をスムーズに行うことで、ご遺族は故人とのお別れに集中できます。ご遺族のサポート役であるという意識を持ちましょう。
筆者
大谷
受付はご遺族の代表という意識が大切です。常に背筋を伸ばし、丁寧な言葉遣いを心がけるだけで、印象がぐっと良くなります。

【状況別】葬式の受付で使う挨拶の言葉と会話文例集

ここからは、多くの方が一番知りたいであろう、具体的な挨拶の言葉と会話の文例を、一連の流れに沿ってご紹介します。このまま覚えて使っていただければ大丈夫です。

弔問客への基本的な挨拶の流れ

弔問客がお見えになってからご案内するまでの一連の流れと、それぞれの場面で使う挨拶の言葉です。

①お迎えの挨拶

弔問客が受付に来られたら、まずは丁寧に一礼し、お悔やみの言葉を述べます。弔問客から「この度はご愁傷様です」などとお悔やみを述べられたら、それに対して返答します。

【挨拶の文例】

  • 「本日はお忙しい中、お越しいただきまして誠にありがとうございます。」
  • 「この度は、ご丁寧なお悔やみの言葉をいただき、恐れ入ります。」

ポイントは、ご遺族の代理として、弔問に来ていただいたことへの感謝を伝えることです。

②香典を受け取る際の言葉

弔問客から香典を差し出されたら、必ず両手で受け取ります。そして、「お預かりいたします」と一言添えましょう。

【会話の流れ】

  1. 弔問客から香典を差し出される。
  2. お預かりいたします」と言いながら、両手で受け取り、一礼する。
  3. 受け取った香典は、すぐに香典受け(お盆など)の上に置く。
筆者
大谷
「ありがとうございます」は感謝の言葉ですが、ここでは不適切とされることも。代わりに「恐れ入ります」や「お預かりします」を使いましょう。

③記帳をお願いする際の言葉

香典を受け取ったら、芳名帳への記帳をお願いします。ペンを差し出し、記帳する場所を指し示しながら丁寧にお願いしましょう。

【挨拶の文例】

  • 「恐れ入りますが、こちらにお名前(とご住所)のご記入をお願いいたします。」

ご遺族の意向で住所もお願いする場合は、その旨も伝えます。事前にどこまで記入してもらうか確認しておきましょう。

④返礼品をお渡しする際の言葉

記帳が終わったタイミングで、返礼品(会葬御礼品)をお渡しします。

【挨拶の文例】

  • 「こちら、心ばかりのものでございます。お納めください。」
  • 「ささやかではございますが、御礼の品でございます。」

⑤会場へのご案内

最後に、式場内へご案内します。開式前であれば、席にご案内しましょう。

【挨拶の文例】

  • 「あちらのお席へどうぞお進みください。」
  • 「まもなく開式となりますので、どうぞ中へお進みください。」

香典を辞退される場合の伝え方と対応

最近では、ご遺族の意向で香典を辞退されるケースも増えています。その場合は、その旨を丁寧にお伝えし、弔問客のお気持ちだけをありがたく頂戴する必要があります。

【伝え方の文例】

  • 「誠に申し訳ございません。故人の遺志により、御香典は固くご辞退申し上げております。」
  • 「お心遣い、大変恐縮です。しかしながら、故人の遺志により、皆様からの御香典は、お受けしないことになっております。お気持ちだけ頂戴いたします。」

ポイントは「故人(または遺族)の遺志である」ことを明確に伝えることです。そうすることで、弔問客も納得しやすくなります。

親族や会社関係者など相手別の対応ポイント

基本の流れは同じですが、相手によって少し対応を変えると、より丁寧な印象になります。

ご遺族・ご親族への対応

ご親族に対しては、受付としての立場を保ちつつも、より丁寧な言葉で対応します。「本日は…」といった形式的な挨拶よりも、「この度は誠にご愁傷様でございます」とシンプルにお悔やみを述べ、記帳をお願いするのが一般的です。

会社関係者への対応

会社の代表として来られた方や、上司などには特に丁寧な対応を心がけましょう。名刺をいただくことも多いので、その際の対応も確認しておくとスムーズです。いただいた名刺は、芳名帳とは別に管理し、後でご遺族に渡します。

一般の弔問客への対応

上記で解説した基本的な流れで丁寧に対応します。故人との思い出を少し話される方もいらっしゃいますが、他の方の妨げにならないよう、簡潔に聞く姿勢が大切です。長引きそうな場合は、「恐れ入りますが、後ほどお伺いさせていただけますでしょうか」と丁重にお断りすることも必要です。

葬式の受付当日の流れとやるべきことリスト

挨拶の言葉を覚えたら、次は当日の全体の流れを把握しましょう。時系列でやるべきことを知っておけば、当日慌てることはありません。

受付開始前の事前準備と確認事項

葬儀が始まる少なくとも30分~1時間前には会場に到着し、準備を始めます。

喪主や遺族との打ち合わせ

まずは喪主や世話役の方に挨拶し、以下の点を確認します。

  • 香典を辞退するかどうか
  • 芳名帳に住所まで記入してもらうか
  • 弔電や供物などの対応方法
  • お手洗いやクロークの場所
  • 駐車場の案内方法
  • 葬儀全体の流れ(開式時間、焼香の順番など)

受付周りの備品チェック

受付係が使う備品が揃っているか、自分の目で確認しましょう。

備品 チェックポイント
芳名帳 予備があるか、どのような形式か(カード式、帳面式など)
筆記用具 筆ペンやボールペンなど。インクが出るか、予備はあるか
香典受け お盆や台が用意されているか
返礼品 十分な数があるか、渡しやすい場所に置かれているか
名刺受け 名刺をいただいた際に入れる箱やトレイがあるか
筆者
大谷
特に筆記用具の予備は忘れがちです。複数人で受付をするなら、誰が何を担当するかも事前に決めておくとスムーズですよ。

受付中の具体的な動き方

受付が始まったら、基本的に持ち場を離れないようにします。通常、受付は2名以上で行うため、トイレなどで席を外す際は必ずもう一人に声をかけましょう。弔問客が途切れた時も、私語は慎み、姿勢を正して待機します。

受付終了後の引き継ぎと片付け

開式時刻になったら、受付は一旦終了となります。しかし、遅れて来られる方もいるため、一人は残るのが一般的です。葬儀が終了したら、預かった香典と芳名帳をまとめて、会計係や喪主に確実に引き継ぎます。この時、必ず双方で中身を確認しながら渡すことが、後のトラブルを防ぐために非常に重要です。

これで安心!葬儀の受付に関する服装・持ち物・マナー

受付係として参列する場合の、服装や持ち物、そして言葉遣いのマナーについても確認しておきましょう。

受付係にふさわしい服装とは?

受付係も参列者の一員ですので、準喪服を着用するのがマナーです。

  • 男性:光沢のないブラックスーツ、白いワイシャツ、黒無地のネクタイ、黒い靴下、黒い革靴。
  • 女性:光沢のない黒のアンサンブルやワンピース、スーツ。黒のストッキング、黒のシンプルなパンプス。

派手なアクセサリーや時計、強い香水は避けましょう。清潔感を第一に、髪型も整えておきます。

あると便利な持ち物リスト

基本的な持ち物に加え、受付係として持っておくと便利なものをご紹介します。

  • □ 数珠(自分の焼香の際に必要)
  • □ 黒または白の無地のハンカチ
  • □ 予備の黒ストッキング(女性の場合)
  • □ 小さなメモ帳とペン(イレギュラーな伝言をメモするため)
  • □ 電卓(香典の集計を手伝う場合)

忌み言葉など注意すべき言葉遣い

葬儀の場では、不幸が重なることや死を直接的に連想させる「忌み言葉」を避けるのがマナーです。無意識に使ってしまわないよう、注意しましょう。

  • 重ね言葉:くれぐれも、たびたび、重ね重ね、次々 など
  • 不幸が続くことを連想させる言葉:再び、追って、続いて など
  • 直接的な表現:死ぬ、生きる、ご生存中 など(→「ご逝去」「お元気な頃」などに言い換える)

また、「頑張って」「元気を出して」といった励ましの言葉も、ご遺族にとっては負担になることがあるため、控えるのが賢明です。

葬式の受付でよくある質問とトラブル対処法

どんなに準備をしても、予期せぬことは起こるものです。ここでは、受付でよくある疑問やトラブルへの対処法をQ&A形式で解説します。

弔問客の名前が読めない場合はどうする?

芳名帳に書かれたお名前がどうしても読めない場合は、そのままにせず、正直にお尋ねするのが最も丁寧な対応です。

大変恐縮ですが、お名前の読み方をお伺いしてもよろしいでしょうか」と、失礼にならないよう低姿勢で尋ねましょう。間違ったままにしておく方が、よほど失礼にあたります。

弔電や供物を持参された場合の対応は?

弔電や供物(お花やお供え物)を持参された方がいた場合は、丁重に受け取り、すぐに葬儀社のスタッフやご遺族に渡します。自分で判断せず、エスカレーションするのが鉄則です。受け取った際に、誰から頂いたものか必ず控えておきましょう。

知り合いの弔問客と長話になっても大丈夫?

受付で知り合いに会うと、つい話が長くなってしまいがちですが、これは厳禁です。あなたは受付という役目についています。他にお待ちの弔問客もいますので、挨拶は手短に済ませましょう。

申し訳ございません、今、受付の係をしておりますので、後ほど改めてご挨拶させてください」と伝えれば、相手の方も理解してくださるはずです。

まとめ

今回は、葬儀の受付を頼まれた際の挨拶や流れ、マナーについて網羅的に解説しました。

最後に、受付係として最も大切なことをお伝えします。それは、故人を偲び、ご遺族を思いやる気持ちです。テクニックやマナーももちろん重要ですが、その根底にある「心」が伴っていれば、あなたの丁寧な対応は必ず弔問客やご遺族に伝わります。

この記事でご紹介した文例や流れを参考に、自信を持って受付係という大役を務めてください。あなたが落ち着いて対応することで、ご遺族も安心して故人を見送ることができます。

大変な役目かとは思いますが、故人との最後のお別れを支える、非常に尊い役割です。あなたの真心が、きっと温かい葬儀の場を作り出す一助となるでしょう。

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【参考資料】

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【この記事を書いた人】
大谷

「葬式の知恵袋」運営者の大谷です。

私自身の経験から、葬儀に関する不安や疑問を抱える方々の力になりたいと願い、このサイトを立ち上げました。

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※記事の執筆には一部AIを利用しております。AIの回答には間違いが含まれている場合があり、必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。誤情報による記事の修正依頼はお問い合わせページよりお願いします。
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