突然の訃報を受け、お葬式に参列することになったとき。「どんな髪型で行けばいいんだろう…」と不安に思った経験はありませんか?特に、普段から髪色を明るくしていたり、おしゃれなヘアスタイルにしていると、マナー違反にならないか心配になりますよね。
そんな時、とても参考になるのが公の場に立つことに慣れている芸能人の方々の髪型です。彼女たち、彼らは、TPOをわきまえた上で、清潔感と品格のある髪型をされています。
この記事では、芸能人の実例を参考にしながら、お葬式にふさわしい髪型の基本マナーから、男女・髪の長さ別の具体的なヘアアレンジ、そして「これって大丈夫?」と迷いがちなケースの対処法まで、徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたの髪型に関する不安はすっかり解消され、故人を偲ぶことに集中できるはずです。さあ、一緒に確認していきましょう。
芸能人のお葬式の髪型から学ぶ基本マナーとは?
お葬式の髪型で最も大切なのは、「清潔感」「控えめ」「シンプル」の3つのキーワードです。これは、多くの芸能人が参列する際にも共通しているポイント。故人への弔意を表し、ご遺族に不快感を与えないための最低限の配慮と言えるでしょう。

清潔感が第一!お辞儀をしても崩れない髪型が理想
お葬式では、お焼香やお辞儀をする場面が多くあります。そのたびに髪が顔にかかったり、手で何度も直したりするのは見苦しい印象を与えかねません。髪が長い方はもちろん、短い方も、顔周りの髪はすっきりとまとめて、清潔感を出すことを第一に考えましょう。
スタイリング剤を使う場合は、ツヤが出すぎるものや香りが強いものは避け、あくまでナチュラルにまとめる程度に留めるのがマナーです。
髪色はどこまでOK?黒髪が基本だが暗い茶色なら許容範囲
お葬式の髪色は、黒が基本です。もし、あなたの髪色がかなり明るい場合は、一時的に暗くするスプレーなどを利用するのが最も望ましいでしょう。
とはいえ、最近では地毛が明るい方も増えています。一般的には、ダークブラウン(6〜7トーン程度)までであれば、許容範囲とされることが多いようです。大切なのは、派手に見えないか、清潔感があるか、という点です。金髪に近いような明るい色は、やはりマナー違反と受け取られる可能性が高いので注意が必要です。
派手な髪飾りはNG!シンプルで目立たないものを選ぶ
髪をまとめる際に使うヘアアクセサリーにも配慮が必要です。光沢のある素材や、大きな飾りがついたものは避けましょう。
- 色:黒
- 素材:布、マットなプラスチックなど光らないもの
- デザイン:装飾のないシンプルなもの
具体的には、シンプルな黒のヘアゴムやUピン、目立たない細いヘアピンなどが適しています。バレッタを使う場合も、金具が隠れるようなデザインの、飾りのない黒いものを選びましょう。
【男女・長さ別】お葬式で失礼にならない髪型の具体例
ここからは、より具体的に、髪の長さや性別に合わせたおすすめの髪型を見ていきましょう。ご自身の髪型と照らし合わせながら、参考にしてみてください。
女性の髪型:ロング・セミロングの場合
髪が肩より長い方は、すっきりと一つにまとめるのが基本です。
基本は「まとめ髪」。うなじが見える高さで品よく
最もフォーマルで品の良い印象を与えるのが、耳より下の位置で一つにまとめるスタイルです。ポニーテールのように高い位置で結ぶと、活発で華やかな印象になってしまうため、お悔やみの場にはふさわしくありません。うなじのあたりで、後頭部の丸みに沿わせるようにまとめると、落ち着いた印象になります。
シニヨンやお団子ヘアの正しい作り方
まとめた髪をお団子にする「シニヨン」もおすすめです。この場合も、作る位置は耳より下にします。毛先が遊ばないように、ネットを使ってまとめると、よりすっきりと美しい仕上がりになります。
- 耳より下の位置で髪を一つに結ぶ。
- 結んだ毛束をねじり、結び目に巻きつける。
- 毛先をピンでしっかりと固定する。
- 必要であれば、上から黒いネットをかぶせる。

編み込みやハーフアップは避けるべき?
編み込みや三つ編み、ハーフアップといったスタイルは、おしゃれな印象が強くなるため、お葬式では避けるのが無難です。これらは「アレンジしている」という印象を与え、華美に見えてしまう可能性があります。あくまでシンプルに、一つにまとめることを心がけましょう。
女性の髪型:ボブ・ショートの場合
髪が短い方は、無理にまとめる必要はありません。しかし、清潔感を出すための工夫は必要です。
耳にかけるだけでOK?前髪の処理が重要
サイドの髪が顔にかかる場合は、耳にかけるだけでも印象が大きく変わります。もし、長さが足りずに落ちてきてしまうようであれば、見えないように黒いシンプルなピンで留めましょう。
特に重要なのが前髪です。目にかかるような長い前髪は、暗い印象を与えてしまいます。横に流してピンで留めるか、スプレーで固めてお辞儀をしても落ちてこないようにしておきましょう。
寝ぐせは厳禁!清潔感を出すためのスタイリング剤
ショートヘアで一番気をつけたいのが「寝ぐせ」です。短い髪はハネやうねりが目立ちやすいため、必ず整えてから参列しましょう。ただし、ワックスやジェルをつけすぎてツヤツヤ・カチカチにするのはNGです。あくまでナチュラルに、まとまりを出す程度に留めるのがポイントです。
男性の髪型:清潔感を出すためのポイント
男性の髪型も、基本は女性と同じく「清潔感」が最も重要です。派手な髪型や長髪は避け、すっきりと爽やかな印象を心がけましょう。
ワックスは使っていい?ツヤ感を抑えるのがマナー
ワックスなどのスタイリング剤を使用すること自体は問題ありません。しかし、ウェット感の強いジェルやツヤの出るワックスは避け、マットな質感のものを選びましょう。香りが強いものもNGです。あくまで、髪の毛がまとまり、清潔感を出すための最低限の使用に留めるのがマナーです。
前髪や襟足の長さは?顔周りをすっきりと
前髪が目にかからない、耳周りがすっきりしている、襟足がワイシャツの襟にかからない、という3点が基本です。もし髪が伸びてしまっている場合は、当日までに散髪に行くのが理想ですが、難しい場合はスタイリング剤で横に流すなどして、顔がはっきりと見えるようにしましょう。
これってマナー違反?芸能人の事例から見る注意すべき髪型
基本マナーはわかったけれど、自分の場合はどうだろう?と迷うケースもありますよね。ここでは、よくある疑問とその対処法について解説します。
明るすぎる髪色はどうすればいい?一日だけの髪色戻しスプレー活用術
金髪や、かなり明るい茶髪、派手なインナーカラーなどは、やはりお葬式の場にはふさわしくありません。そうした場合に非常に役立つのが、「一日だけの髪色戻しスプレー」です。
ドラッグストアなどで手軽に購入でき、シャンプーで簡単に洗い流せます。急な訃報で美容院に行く時間がない場合の、最も確実でスマートな対処法と言えるでしょう。

パーマヘアは大丈夫?まとまりにくい髪の対処法
パーマをかけている場合、無理にストレートにする必要はありません。しかし、華やかな印象の強いゆるふわパーマや、ウェーブが強すぎるスタイルは、できるだけボリュームを抑えてまとめる努力が必要です。
髪が長い方はシニヨンに、短い方もスタイリング剤で広がりを抑え、すっきりと見せる工夫をしましょう。清潔感があり、きちんとまとまっていれば問題ありません。
急な訃報で美容院に行けない!自分でできる簡単ヘアアレンジ
訃報は突然やってくるものです。美容院に行く時間がないのは当然のこと。そんな時でも、自分でできる簡単な方法を知っておけば安心です。
- 準備するもの:黒いヘアゴム、黒いUピン・アメピン、ヘアスプレー(無香料)、髪色戻しスプレー(必要な場合)
- ポイント:とにかくシンプルに、顔周りをすっきりさせることだけを意識する。
上記で紹介した「耳より下の一つ結び」や「簡単シニヨン」は、慣れれば5分もかからずにできます。事前に一度練習しておくと、いざという時に慌てずに済みますよ。
髪型だけじゃない!お葬式で気をつけたい身だしなみ全体のポイント
故人を偲ぶ気持ちは、髪型だけでなく、全体の身だしなみにも表れます。ここでは、髪型以外に見落としがちなポイントを補足します。
メイクは「片化粧」が基本
女性のメイクは、派手にならないように注意が必要です。これを「片化粧(かたげしょう)」と呼びます。
- ベースメイク:ツヤ感を抑えたマットな肌に。
- アイメイク:アイシャドウはブラウン系を薄く塗るか、何もしない。アイラインやマスカラは控えるのが無難。
- チーク・リップ:血色を良く見せるためのチークや、色のついたリップはNG。リップクリーム程度に。
爪やアクセサリーのマナー
ネイルは基本的にNGです。派手な色のネイルやネイルアートは必ず落としてから参列しましょう。どうしても落とせない場合は、上から塗れるベージュのマニキュアや、葬儀用の黒い手袋で隠すという方法もあります。
アクセサリーは、結婚指輪以外は外すのがマナーです。ただし、涙の象徴とされる一連のパールネックレスであれば着用が認められています。
まとめ
今回は、芸能人の実例を参考にしながら、お葬式にふさわしい髪型について詳しく解説しました。
最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 基本マナー:「清潔感」「控えめ」「シンプル」を心がける。
- 女性の髪型:長い髪は耳より下でシンプルに一つにまとめる。短い髪は顔周りをすっきりと。
- 男性の髪型:清潔感を第一に、スタイリング剤は控えめにする。
- 髪色・髪飾り:髪色は黒か暗い茶色。髪飾りは黒でシンプルなものを。
- NG例:明るい髪色はスプレーで対応。パーマはボリュームを抑える。
様々なルールやマナーがありますが、最も大切なのは故人を敬い、静かに見送りたいという弔意の気持ちです。その気持ちがあれば、自然とふさわしい身だしなみになるはずです。
この記事が、あなたの不安を少しでも和らげるお役に立てたなら幸いです。
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