突然の訃報に接し、「葬式までの手順ってどうすればいいんだろう…」と不安を感じているあなたへ。
大切な方を亡くされた悲しみの中で、葬儀に関する知識がないと、何から手をつけて良いのか分からず、さらに心細くなるものですよね。しかし、ご安心ください。この記事を読めば、葬儀までの流れが明確になり、「もしもの時」でも冷静に対応できるようになります。
この記事では、葬儀社とのやり取りから通夜・告別式、そしてその後の手続きに至るまで、葬式までの手順を一つ一つ丁寧に解説していきます。また、実際に多くの人が陥りがちな「3つの落とし穴」とその回避策もご紹介。読み終える頃には、あなたは葬儀のプロのように自信を持って行動できるようになっているはずです。
もしもの時、まず最初に何をするべき?緊急時の対応と連絡先
ご逝去の報に接した際、まずは「何をすべきか」を冷静に把握することが重要です。突然の出来事に動揺するかもしれませんが、適切な初期対応がその後のスムーズな進行に繋がります。
ご逝去から葬儀社に連絡するまでの流れ
病院で亡くなられた場合
病院で亡くなられた場合、医師から「死亡診断書」が発行されます。これは後の手続きに必要不可欠な書類ですので、大切に保管してください。
その後、病院から遺体の搬送について尋ねられます。この段階で、あらかじめ依頼を決めていた葬儀社がある場合は、その葬儀社に連絡し、病院へ遺体を引き取りに来てもらうよう手配します。まだ決めていない場合は、病院が提携している葬儀社を紹介してくれることもありますが、複数社から見積もりを取ることをお勧めします。

自宅で亡くなられた場合
自宅で亡くなられた場合は、かかりつけ医がいる場合はかかりつけ医に連絡し、「死亡診断書」を発行してもらいます。かかりつけ医がいない場合は、警察に連絡し、検視官による検視の後、「死体検案書」が発行されます。
こちらも死亡診断書と同様に、後の手続きで必要になりますので、大切に保管しましょう。
大切な人に訃報を伝えるタイミングと範囲
ご逝去の連絡は、まず「親族」へ行いましょう。特に、故人の配偶者、子供、親など、ごく近しい方々にはすぐに連絡を入れます。
その後、親族の状況が落ち着いてから、故人と親交の深かった友人や知人、職場関係者など、必要に応じて訃報を伝えていきます。連絡の際には、以下の情報を簡潔に伝えると良いでしょう。
- 故人の氏名
- 亡くなった日時
- 亡くなった場所
- 今後の連絡先(あなたの連絡先)
- 葬儀の日程や場所が決まっていればその情報
一度に多くの人に連絡するのは大変ですので、役割分担をすることも検討してみてください。
葬儀社の選び方と打ち合わせのポイント
葬儀社の選定は、葬儀の質を大きく左右します。後悔しないためにも、慎重に、そして納得のいく形で選びましょう。
信頼できる葬儀社の見分け方と選定基準
葬儀社を選ぶ際には、以下の点に注目すると良いでしょう。
- 料金体系の明確さ: 見積もりは詳細で分かりやすいか、追加料金の可能性は説明されるか。
- 対応の丁寧さ: 担当者の説明は分かりやすいか、親身に相談に乗ってくれるか。
- 実績と評判: 口コミやインターネットでの評判はどうか、地域の信頼性はどうか。
- 希望する葬儀形式への対応: 家族葬、一般葬、一日葬など、希望する形式に対応しているか。
- アフターサポート: 葬儀後の手続きに関する相談やサポート体制は充実しているか。
複数の葬儀社から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

葬儀社との打ち合わせで決めるべきこと
葬儀社との打ち合わせでは、多岐にわたる項目を決定していきます。事前に話し合う内容を把握しておくと、スムーズに進められます。
葬儀の形式と規模
家族葬、一般葬、一日葬、直葬など、故人やご遺族の意向に合わせた葬儀形式を決定します。参列者の人数や予算も考慮しながら検討しましょう。
費用と支払い方法
総費用はもちろん、内訳や支払い方法(一括払い、分割払いなど)についても詳細を確認します。後からの追加料金がないか、念入りに確認してください。
日程と場所
通夜、告別式、火葬の日程と場所を決定します。火葬場の予約状況も確認が必要です。
遺影写真と棺
故人の生前の面影を偲ぶ遺影写真を選びます。棺の種類も決定します。
祭壇と供花、供物
祭壇のデザインや、供花、供物の手配について打ち合わせます。
返礼品と食事
会葬御礼の返礼品や、通夜振る舞いなどの食事内容を決めます。
納棺の儀とエンバーミング
故人の旅立ちの準備である納棺の儀について説明を受けます。必要に応じて、遺体の保存処理であるエンバーミングについても検討します。
通夜・告別式の流れと注意点
通夜と告別式は、故人との最後のお別れの場であり、参列者にとっても大切な時間です。滞りなく執り行うための流れと注意点を確認しましょう。
通夜の流れと参列者のマナー
通夜は、一般的に故人が亡くなった日の夜に行われます。遺族や近親者が故人との最後の夜を過ごす時間であり、友人や知人も弔問に訪れます。
通夜の流れ
- 弔問客の受付: 芳名帳への記帳や香典の受け渡しを行います。
- 僧侶の入場、読経: 僧侶による読経が行われます。
- 焼香: 故人への焼香を行います。
- 僧侶の退場: 読経が終わると僧侶が退場します。
- 通夜振る舞い: 軽食を振る舞い、故人を偲びながら参列者と交流します。
参列者のマナー
- 服装: 男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルが基本です。
- 香典: 不祝儀袋に入れ、表書きは「御香典」「御霊前」などとします。
- 焼香: 作法は宗派によって異なりますが、一般的には2〜3回行うことが多いです。
- 会話: 大声での会話は避け、静かに故人を偲びましょう。
告別式の流れと出棺・火葬
告別式は、故人とのお別れを告げ、弔意を表す儀式です。通夜の翌日に行われるのが一般的です。
告別式の流れ
- 弔問客の受付: 通夜と同様に受付を行います。
- 僧侶の入場、読経: 僧侶による読経が行われます。
- 弔辞・弔電の紹介: 故人への弔辞や弔電が読み上げられます。
- 焼香: 参列者による焼香が行われます。
- 告別: 故人との最後のお別れをします。花を手向けたり、故人の顔を見たりする時間です。
- 出棺: 霊柩車に故人を乗せ、火葬場へ向かいます。
出棺・火葬
火葬場へは、遺族や近親者が同行します。火葬中は、控室で待機し、火葬が終わると骨上げを行います。骨上げの後、骨壺に遺骨を納め、自宅へ持ち帰ります。

葬儀後の手続きと供養について
葬儀が終わった後も、様々な手続きや供養が残されています。落ち着いて、一つ一つ確実に進めていきましょう。
死後すぐに必要な行政手続き
故人の逝去に伴い、様々な行政手続きが必要です。主なものは以下の通りです。
- 死亡届の提出: 死亡診断書(または死体検案書)を添えて、市区町村役場に提出します。葬儀社が代行してくれることが多いです。
- 火葬許可証・埋葬許可証の取得: 死亡届と同時に申請し、火葬を行うために必要な許可証です。
- 世帯主変更届: 故人が世帯主であった場合、世帯主の変更が必要です。
- 年金受給停止手続き: 年金を受給していた場合、年金事務所に連絡し、受給停止手続きを行います。
- 健康保険証の返還: 故人の健康保険証を市区町村役場または健康保険組合に返還します。
これらの手続きには期限が設けられているものもありますので、早めに確認し、対応しましょう。
香典返しと四十九日法要、お墓の準備
香典返し
香典返しは、香典をいただいた方々へのお礼として贈る品物です。一般的には、香典の金額の半額から3分の1程度の品物を選びます。贈る時期は、四十九日法要後が一般的です。
四十九日法要
四十九日法要は、故人の魂が次の世界へ旅立つとされる大切な節目です。この法要をもって、忌明けとなります。僧侶を招いて読経してもらい、親族が集まって会食をするのが一般的です。
この法要で、本位牌の作成やお仏壇の準備を行うことが多いです。
お墓の準備と納骨
故人を供養するためのお墓を準備します。すでに代々のお墓がある場合は、そこに納骨します。新しくお墓を建てる場合は、墓地の選定から石材店との打ち合わせまで、時間と費用がかかります。
最近では、永代供養墓や樹木葬など、多様な供養の形も増えていますので、ご遺族でよく話し合い、故人の意向も踏まえて検討すると良いでしょう。
知らないと後悔する!葬式までの3つの落とし穴
ここまで、葬式までの一般的な手順を解説してきましたが、実は多くの人が陥りがちな「落とし穴」が存在します。これらを知っておくことで、後悔のない葬儀を実現できます。
落とし穴1:費用トラブル!見積もりの罠と追加料金
葬儀費用は、葬儀社によって大きく異なります。提示された見積もりが「一式」とだけ書かれていたり、詳細な内訳が不明瞭な場合は要注意です。
後から「これは別途料金です」「オプションになります」と言われて、想定外の追加料金が発生し、トラブルになるケースが少なくありません。必ず、項目ごとの詳細な見積もりを取り、疑問点はその場で質問し、納得いくまで説明を求めましょう。

落とし穴2:精神的な負担!故人との最後の別れを後悔しないために
葬儀準備は、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。悲しみの中で慌ただしく準備を進めるうちに、故人との最後の別れをゆっくりする時間が取れなかった…と後悔する方も少なくありません。
全てを一人で抱え込まず、親族や信頼できる友人に相談したり、葬儀社に任せられる部分は任せるなど、適度に周囲を頼ることが大切です。故人との思い出を振り返り、ゆっくりお別れする時間を意識的に作るようにしましょう。
落とし穴3:後回しにすると大変!葬儀後の手続きの重要性
葬儀が終わると、一安心するのも束の間、実は様々な手続きが残されています。「後でやろう」と後回しにすると、期限を過ぎてしまったり、必要な書類が揃わず、さらに手間がかかることがあります。
特に、年金や健康保険、遺産相続に関する手続きは、期日や複雑な書類が必要となる場合があります。葬儀社や専門家(弁護士、司法書士など)に相談するなどして、計画的に進めることが重要です。
まとめ
今回は、「葬式までの手順」について、緊急時の対応から葬儀社の選び方、通夜・告別式の流れ、そして葬儀後の手続きまで、網羅的に解説しました。また、多くの人が陥りがちな「3つの落とし穴」とその回避策もお伝えしました。
突然の別れは、誰にとっても予期せぬ出来事です。しかし、この記事で得た知識があれば、「もしもの時」でも落ち着いて行動し、後悔のないお見送りができるはずです。大切なのは、焦らず、一つ一つのステップを理解し、必要に応じて周囲のサポートを得ることです。
この情報が、あなたの不安を少しでも和らげ、心穏やかに故人を見送るための一助となれば幸いです。もし、この記事を読んでさらに疑問に思うことや、具体的に知りたいことがあれば、いつでもご相談くださいね。
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