大切な方を亡くされた悲しみの中で、葬儀の準備は心身ともに大きな負担となりますよね。
特に、葬儀の最後に喪主として挨拶をするとなると、「何を話せば良いのだろう」「失礼があってはいけない」と、大きな不安を感じる方も少なくないのではないでしょうか。
「人前で話すのが苦手」「急なことで準備ができていない」といったお悩みも、よく耳にします。
この記事では、喪主の挨拶に不安を感じているあなたのために、押さえるべきポイントや具体的な例文を詳しく解説します。
これを読めば、あなたの状況に合わせた挨拶文が見つかり、安心して当日を迎えられるはずです。
最後まで読んで、故人への感謝と参列者へのねぎらいの気持ちを、あなたの言葉でしっかりと伝えましょう。
喪主の挨拶、なぜ重要?その目的と心構え
葬儀における喪主の挨拶は、単なる形式的なものではありません。
故人を見送る上で、非常に重要な意味を持っています。
喪主の挨拶の3つの目的
喪主の挨拶には、主に以下の3つの目的があります。
- 参列者への感謝を伝える:故人のために時間を割いて参列してくださった方々へ、心からの感謝を伝えます。
- 故人の生前の感謝を代弁する:故人が生前お世話になった方々へ、故人に代わって感謝の気持ちを伝えます。
- 今後のお付き合いを願う:故人との縁を通じて、今後も変わらぬお付き合いをお願いする意を示します。
喪主としての心構え
挨拶をする際は、以下の点を心に留めておくと良いでしょう。
- 誠実に、心を込めて:繕った言葉ではなく、素直な気持ちで話すことが大切です。
- 簡潔に、分かりやすく:長く話しすぎず、要点をまとめて話しましょう。参列者は長時間立っている場合もあります。
- 落ち着いて、ゆっくりと:緊張するかもしれませんが、深呼吸をして、ゆっくりと話すことを意識してください。

喪主の挨拶の基本構成と話す順番
喪主の挨拶は、決まった構成に沿って話すことで、まとまりのある内容になります。
事前にこの流れを把握しておきましょう。
喪主の挨拶の基本的な5つのステップ
一般的な喪主挨拶の構成は、以下の5つのステップで進められます。
- 参列者への感謝:まずは、故人のために足を運んでくださったことへの感謝を伝えます。
- 故人に関する簡単な紹介や思い出:故人の人柄が偲ばれるようなエピソードを簡潔に紹介します。長話にならないように注意しましょう。
- 生前の厚誼に対する感謝:故人が生前お世話になったことへのお礼を述べます。
- 今後の支援のお願い:残された遺族への変わらぬご厚誼をお願いします。
- 結びの言葉:改めて感謝の言葉を述べ、締めくくります。
【状況別】葬式の喪主の挨拶で失敗しない3つの例文
ここからは、具体的な状況に合わせた喪主挨拶の例文をご紹介します。
ご自身の状況に最も近いものを参考に、アレンジしてご活用ください。
例文1:一般的な葬儀・告別式での挨拶
最も一般的な葬儀・告別式での挨拶です。
故人への感謝と、参列者へのねぎらいの気持ちを中心に構成されています。
例文2:家族葬・小規模な葬儀での挨拶
近親者のみで行われる家族葬など、より親しい間柄での挨拶に適しています。
形式張らず、より故人との思い出に触れる言葉を加えても良いでしょう。
例文3:火葬場での挨拶(お礼の言葉)
火葬場での挨拶は、参列者の労をねぎらう意味合いが強くなります。
長文にならず、簡潔に感謝を伝えることがポイントです。
喪主の挨拶で避けるべき言葉とマナー
喪主の挨拶では、使用を避けるべき言葉や、気を付けるべきマナーがあります。
失礼のないよう、事前に確認しておきましょう。
避けるべき言葉「忌み言葉」
葬儀の場では、不幸が繰り返されることを連想させる言葉や、不吉な言葉は避けるべきとされています。これらを「忌み言葉」と呼びます。
- 重ね言葉:「たびたび」「重ね重ね」「くれぐれも」「次々」「いよいよ」など
- 不幸が続くことを連想させる言葉:「再び」「追って」「続いて」「さらに」など
- 生死に関する直接的な表現:「死ぬ」「生きる」「ご存命」など(「ご逝去」「永眠」「他界」などに置き換えましょう)
宗教・宗派に配慮する
故人やご遺族の宗教・宗派によっては、特定の言葉や表現がふさわしくない場合があります。
- 仏式では「冥福を祈る」「ご愁傷様」といった言葉が使われますが、神式やキリスト教式では使用しません。
- 迷う場合は、特定の宗教色を持たない「ご冥福をお祈りいたします」など汎用的な表現を選ぶのが無難です。
声のトーンと姿勢
挨拶の際は、落ち着いた声のトーンで、ゆっくりと話すことを心がけましょう。
背筋を伸ばし、参列者の方々を見渡すように話すと、より気持ちが伝わります。
喪主の挨拶の準備と練習のポイント
ぶっつけ本番で臨むのではなく、事前にしっかりと準備と練習をしておくことで、当日安心して挨拶ができます。
挨拶文の作成と推敲
まずは、伝えたいことを書き出し、例文を参考にしながら挨拶文を作成しましょう。
作成後は、声に出して読んでみて、不自然な点がないか確認してください。
時間配分を意識する
挨拶の時間は、長すぎると参列者の負担になります。
一般的には、1分~2分程度に収めるのが理想的です。
実際に声に出して読んでみて、時間を計ってみましょう。
緊張を和らげるコツ
人前で話すことが苦手な方もいるかもしれません。
以下のような工夫で、緊張を和らげることができます。
- 事前に何度か声に出して練習する
- 深呼吸をする
- 伝えたい気持ちに集中する

弔辞・弔電をいただいた場合のお礼
弔辞や弔電をいただいた方々へのお礼も、喪主の大切な役割です。
感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。
弔辞へのお礼
弔辞を述べてくださった方には、葬儀の後日改めて、直接お礼に伺うか、手紙でお礼を伝えるのが丁寧です。
葬儀当日の挨拶の中で、弔辞へのお礼に軽く触れることもできます。
弔電へのお礼
弔電をいただいた方々へは、葬儀後、お礼状を送るのが一般的です。
故人と特に親しかった方には、電話でお礼を伝えることも検討しましょう。
葬儀後の対応と喪主の役割
葬儀が終わっても、喪主の役割は続きます。
残された手続きや、参列者への対応について把握しておきましょう。
香典返しと挨拶状
香典をいただいた方へは、香典返しと合わせて挨拶状を送ります。
香典返しは、四十九日を過ぎた忌明けに贈るのが一般的です。
法要の手配
四十九日法要や一周忌など、今後の法要の手配も喪主が中心となって進めます。
菩提寺や葬儀社と相談しながら、計画的に準備を進めましょう。
関係者への挨拶
葬儀でお世話になった方々(葬儀社、寺院など)へは、後日改めてお礼に伺うか、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
喪主の挨拶に関するよくある質問
喪主の挨拶に関して、よく寄せられる質問にお答えします。
挨拶中に涙が出てしまったらどうすれば良いですか?
無理に涙をこらえる必要はありません。
感情がこみ上げて涙が出てしまっても、それは故人への深い想いの表れであり、参列者も理解してくれるはずです。
一呼吸置き、落ち着いてから話しを再開しましょう。
挨拶文は読み上げても良いですか?
はい、挨拶文を読み上げても問題ありません。
むしろ、緊張する中で言葉に詰まったり、言い間違えたりするよりも、メモを見ながら落ち着いて話す方が、参列者に気持ちが伝わりやすくなります。
喪主以外の家族が挨拶をしても良いですか?
基本的には喪主が挨拶を行いますが、体調が悪い場合や、喪主が幼い場合など、状況によっては代理が挨拶をすることもあります。
その際は、事前に参列者にその旨を伝えておくと良いでしょう。
故人への想いを込めて、感謝を伝えよう
喪主の挨拶は、故人への最後の言葉であり、参列者への感謝を伝える大切な機会です。
この記事でご紹介した例文やポイントを参考に、あなたらしい言葉で故人を見送ってください。
何よりも大切なのは、故人への感謝と、参列者へのねぎらいの気持ちです。

まとめ
本記事では、喪主の挨拶について、その重要性から具体的な例文、注意点まで詳しく解説しました。
喪主の挨拶は、故人への感謝と参列者へのねぎらいの気持ちを伝える大切な場であり、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 参列者への感謝と故人の生前の厚誼への感謝を伝える。
- 簡潔にまとめ、忌み言葉を避ける。
- 事前に準備と練習を行い、落ち着いて話すことを心がける。
- 状況に合わせた例文を参考に、ご自身の言葉でアレンジする。
この情報が、あなたが大切な方を心穏やかに見送る一助となれば幸いです。
不安なく、故人との最後のお別れに臨めるよう、心から応援しています。
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