大安吉日に葬式は避けるべき？

「大安に葬式は避けるべき？」そう疑問に感じているあなたへ。大切な方を送る葬儀の日程を決める際、六曜を気にするべきか悩む方は少なくありません。

結論から言うと、大安に葬式をしても問題ありません。

しかし、なぜ「大安は避けるべき」という話があるのでしょうか？

この記事では、六曜と葬式の関係性を深く掘り下げ、あなたが納得して故人を見送れるよう、疑問や不安を解消していきます。

大安に葬式は避けるべきとされる理由とは？

大安が「やってはいけない日」とされる背景

「大安」と聞くと、結婚式や引っ越しなど、おめでたい行事にふさわしい日というイメージが強いですよね。

文字通り「大いに安し」という意味を持つ吉日とされています。

しかし、この「大安」という吉日のイメージが、弔事である葬式にはそぐわないと考える方もいらっしゃいます。

おめでたい日に悲しい出来事を持ち込みたくない、という心理が働くのかもしれません。

六曜はもともと中国で生まれた考え方で、時間の吉凶を占うためのものでした。

現代の私たちの生活に深く根付いているのは、江戸時代以降に広まったと言われています。

葬式と六曜の関係性

六曜と葬式の関係には、明確な宗教的な教えやしきたりはありません。

仏教や神道など、多くの宗教では六曜を重視する慣習はないのです。

では、なぜ六曜が葬式に影響を与えるように言われるのでしょうか。

それは、多くの人が日々の生活の中で六曜を意識しているため、葬儀のような大切な儀式においても、その影響を考慮する方がいるからです。

特に「友引」は葬式を避けるべき日として広く認識されています。

これは「友を引く」という字面から、故人が友人を冥土へ連れて行ってしまうと連想されるためです。

一方で、大安にはそのような直接的な連想がありません。

友引・仏滅に葬式を行っていい？六曜ごとの適否

六曜にはそれぞれ異なる意味があり、葬式との関連性も異なります。

友引は葬式を避けるべき？火葬や葬儀への影響

友引は「友を引く」という意味合いから、葬儀を行うと故人が友人をあの世に連れて行ってしまう、という迷信が広く信じられています。

そのため、多くの火葬場や葬儀会館では、友引の日を休業日としていることが多いです。

これは、葬儀を執り行う側も、参列する側も、友引の日に葬儀を行うことに抵抗があるためです。

しかし、どうしても友引に葬儀を行わなければならない場合は、葬儀自体は行い、火葬だけ日をずらす、という選択肢もあります。

仏滅は葬式に最適な日？

仏滅は「仏も滅するような大凶日」とされ、結婚式などの慶事には避けられます。

しかし、葬儀のような弔事においては、「これ以上悪いことが起こらない」という意味で、むしろ良い日と解釈されることがあります。

特に、新しいことを始めるのが良くないとされる仏滅は、すでに亡くなった方を見送る葬儀には影響がない、と考える方もいます。

実際、仏滅に葬儀を行うことは、六曜を気にする方にとっても比較的受け入れられやすい傾向にあります。

六曜と葬式の吉凶

六曜と葬式の吉凶は、以下の表のように考えられることが多いです。

六曜	意味合い	葬式との関連	備考
先勝	午前中は吉、午後は凶	急ぐ場合は午前中に葬儀を開始
友引	勝負は引き分け、「友を引く」	葬式は避けるべき日とされることが多い	火葬場が休業の場合が多い
先負	午前中は凶、午後は吉	午後に葬儀を開始するのが良い
仏滅	大凶日	弔事には影響がない、むしろ良いと考えることも
大安	大いに安し、吉日	慶事には良いが、弔事には避ける傾向も	葬式を行っても問題ない
赤口	午の刻（午前11時～午後1時）は吉、それ以外は凶	火の元や刃物に注意すべき日とされる

葬式の日取りを決める際のポイント

故人を見送る大切な日取りは、六曜だけでなく、様々な要素を考慮して決めることが重要です。

遺族の意向と参列者の都合を優先

最も大切なのは、故人を偲び、見送る遺族の気持ちです。

そして、遠方から駆けつける親戚や故人の友人の都合も考慮に入れるべきでしょう。

全員の都合を完璧に合わせることは難しいかもしれませんが、できる限り多くの人が参列できるよう、話し合いを重ねることが大切です。

葬儀社の予約状況と火葬場の空き状況

近年、都市部では火葬場の混雑が深刻な問題となっています。

希望する日時に火葬場が空いていない場合、葬儀の日程をずらさざるを得ないこともあります。

また、葬儀社も繁忙期などには予約が取りにくいことがあります。

早めに複数の葬儀社に連絡を取り、見積もりと同時に日程の相談をすることをおすすめします。

弔事における日柄の考え方

六曜はあくまで日柄の目安の一つであり、宗教的な意味合いは薄いということを理解しておくことが大切です。

故人を偲ぶ気持ちや、遺族の心の平安が何よりも優先されるべきです。

もし親族の中に六曜を強く気にする方がいらっしゃる場合は、事前に話し合い、納得のいく形で日取りを決めることが、後々のトラブルを避けるためにも重要です。

六曜以外で葬式の日程に影響するもの

六曜以外にも、葬儀の日程に影響を与える要素はいくつかあります。

友引明けの葬儀が増える理由

前述の通り、友引は火葬場が休業していることが多いため、友引の翌日（友引明け）に葬儀が集中する傾向があります。

これは、友引で葬儀ができなかった分が翌日にずれ込むためです。

そのため、友引明けは火葬場や葬儀社の予約が取りにくくなる可能性があります。

火葬場の休業日と葬儀

多くの火葬場は、友引以外にも特定の曜日や年末年始などを休業日としています。

葬儀社との打ち合わせの際に、必ず火葬場の休業日を確認しましょう。

特に大型連休やお盆、年末年始などは、火葬場だけでなく、葬儀に関わる多くの施設が混み合うため、早めの手配が必要です。

お寺や僧侶の都合

仏式葬儀の場合、お寺の住職や僧侶の都合も日程に大きく影響します。

特に、複数の檀家を抱えているお寺の場合、希望の日時に僧侶の都合がつかないこともあります。

お通夜や葬儀の日程を決める前に、必ず僧侶と連絡を取り、ご都合を確認しましょう。

大安でも葬式を行うケースとは

「大安は避けるべき」という考えがある一方で、実際には大安に葬式を行うケースも少なくありません。

急な訃報と葬儀までの流れ

人はいつ亡くなるかわかりません。

予期せぬ訃報の場合、日程を選ぶ余裕がないこともあります。

通常、故人が亡くなってから葬儀を行うまでの間には、納棺、お通夜、告別式、火葬という流れがあります。

この一連の流れを考えると、どうしても大安に重なってしまうこともあります。

家族葬や一日葬の選択

近年増えている家族葬や一日葬は、従来の一般的な葬儀と比べて規模が小さく、日程の融通が利きやすい傾向があります。

家族やごく親しい友人だけで行う家族葬や、お通夜を行わず一日で葬儀を済ませる一日葬であれば、六曜をあまり気にせず、遺族の都合や故人の生前の希望を優先して日取りを決めることができます。

まとめ

「葬式を大安に避けるべきか」という疑問に対し、この記事では六曜の考え方や、葬式の日程を決める際の様々な要素について解説しました。

重要なポイントは以下の通りです。

• 大安に葬式を行っても、宗教上の問題はありません。
• 六曜はあくまで日柄の目安です。
• 「友引」は「友を引く」という迷信から、火葬場が休業していることが多く、避ける傾向があります。
• 葬儀の日取りは、故人や遺族の意向、参列者の都合、葬儀社や火葬場の空き状況など、総合的に判断して決めるべきです。
• 六曜を気にする親族がいる場合は、事前に話し合い、納得のいく形で進めることが大切です。

大切な方を心穏やかに見送るために、この記事があなたの不安を少しでも解消し、後悔のない葬儀を実現するための一助となれば幸いです。