葬儀が終わった後、故人を亡くした悲しみや喪失感から、精神的に不安定になることは少なくありません。また、参列者として葬儀に臨んだ方も、普段とは違う厳粛な場での振る舞いや、遺族への配慮に気を遣うことと思います。しかし、葬儀が終わったからといって、すべてが終わりではありません。故人への弔意を示すため、そして遺族の気持ちを尊重するためにも、葬儀後にも気をつけたいこと、避けるべきことがいくつか存在します。
このガイドでは、葬儀後のタブーやマナー、さらには遺族や周囲の人々との接し方について、詳細かつ具体的な情報を提供します。故人との関係性や、あなたがどのような立場で葬儀に参列したかによって、取るべき行動は変わってきますが、どのような立場の方にとっても役立つ情報を網羅していますので、ぜひ最後までお読みください。
大切な人を亡くされた悲しみの中で、次に何をすれば良いのか、何を避けるべきなのか戸惑う方もいらっしゃるでしょう。ここでは、葬儀後のデリケートな時期を穏やかに過ごすためのヒントを、具体的な行動とともに解説していきます。
葬儀後のタブー:控えるべき行動と発言とよくある疑問
故人の死因や経緯について尋ねることを避ける
安易に詮索しない
葬儀に参列した後、故人の死因や亡くなった時の状況について、遺族に直接尋ねることは絶対に避けるべきです。遺族はただでさえ深い悲しみの中にあり、何度も同じ説明をすることは精神的に大きな負担となります。たとえ親しい間柄であったとしても、この時期は細かな詮索は控えるのがマナーです。
- 故人のプライバシーに配慮し、デリケートな情報に触れないようにしましょう。
- もし気になることがあっても、それは遺族が話したいと感じた時に、自ら話してくれるのを待つのが賢明です。
憶測や噂話をしない
友人や知人との会話の中で、故人の死因について憶測で話したり、根拠のない噂話を広めたりする行為も慎むべきです。不確かな情報が広まることで、遺族が傷ついたり、故人の名誉が傷つけられたりする可能性があります。
- 事実に基づかない情報を拡散しないことを徹底しましょう。
- 故人への敬意を払い、静かに見送ることが大切です。

忌中・喪中の期間に慎むべき行動とは?
慶事への参加を控えるべきか
葬儀後、特に親族の場合、故人の魂が安らかに眠る期間とされる「忌中(きちゅう)」には、慶事への参加を控えるのが一般的です。結婚式や新築祝い、お祭りなど、お祝い事への出席は、遺族としての立場から見て不適切とされます。忌明け(いみあけ)と呼ばれる、一般的には四十九日を過ぎてから、改めてお祝いの場に参加するよう心がけましょう。
ただし、ご自身の結婚式など、どうしても避けられない事情がある場合は、事前に親族と相談し、理解を得るようにしましょう。延期が難しい場合は、入籍だけ済ませて式は喪明けに行うなどの選択肢もあります。
また、喪中(もちゅう)の期間は、故人が亡くなってから約1年間を指し、この間も慶事を控えるのが一般的です。忌中と喪中では期間の長さや、行動の制約の厳しさに違いがあります。忌中の方がより厳しく慎む期間とされています。
神社の参拝を避けるべきか
神道において、「死」は穢れ(けがれ)とされ、忌中に神社に参拝することは控えるべきとされています。鳥居をくぐらず、敷地内に入ることも避けるのが望ましいです。こちらも忌明けまでは我慢し、故人を偲ぶことに専念しましょう。
仏教の場合は特に制限はありませんが、気持ちの整理がつくまでは控える方もいらっしゃいます。喪中期間であれば、初詣や神社への参拝は問題ないとされることが多いですが、晴れ着を着るなどの派手な装いは避けるのが無難です。
旅行や大きな買い物は避けるべきか
忌中や喪中期間は、旅行や大きな買い物といった派手な行動や、娯楽要素の強い活動は控えるのが一般的です。これは、故人を悼む期間として、心を落ち着けて過ごすことが求められるためです。
- 旅行:特に忌中期間は控えるべきです。喪中期間であれば、心のリフレッシュのための旅行など、状況に応じて判断することも増えていますが、基本的には避けるのが無難です。
- 大きな買い物:家の新築やリフォームなど、お祝い事に関連する大きな買い物は、喪中期間も避けるのが一般的です。判断を誤る可能性もあるため、冷静な判断が求められます。
お正月のお祝いと新年の挨拶は?
年賀状や正月飾りは控える
お正月は、無事に新年を迎えられたことをお祝いする慶事です。そのため、忌中・喪中期間は、「あけましておめでとうございます」といった新年の挨拶や、正月飾り(門松、しめ縄など)、おせち料理などでのお祝いは控えるのがマナーです。年賀状も送付せず、代わりに喪中はがき(年賀欠礼状)にて、年賀の挨拶を欠礼することを事前に伝えておきましょう。
- 喪中はがきを送る時期:相手が年賀状を準備する前の、11月中旬から遅くとも12月初旬には届くように用意するのが一般的です。
- 寒中見舞い:もし喪中はがきの送付が間に合わなかったり、相手が喪中と知らずに年賀状を送ってきたりした場合は、松の内(1月7日頃)が明けてから、立春(2月4日頃)までに寒中見舞いを送ると良いでしょう。
年越しそばは、お祝いの料理ではないため、忌中であっても問題ないとされています。
遺族への配慮:心を癒やすために避けるべきこと
故人の思い出を語る際の注意点
明るすぎる話題や冗談は避ける
故人との思い出を語り合うことは、遺族にとって癒しとなることもありますが、話す内容には十分な配慮が必要です。特に、明るすぎる話題や軽々しい冗談、故人を茶化すような内容は絶対に避けましょう。遺族はまだ深い悲しみの中にいるため、不適切な発言はかえって心を深く傷つける可能性があります。
- 故人の良い面を語る際は、しっとりとした口調で、故人を偲ぶ気持ちが伝わるように話しましょう。
- 遺族が話したいと望むまで、無理に話題を振ることは控えるべきです。
過去のトラブルやネガティブな話題は避ける
故人との間にあった過去のトラブルや、故人の短所、ネガティブな側面について話すことは、遺族に対して大きな精神的負担を与えます。故人が亡くなった直後は、故人の良い面だけを語り、悪い面には一切触れないのがマナーです。遺族が故人の思い出に浸る時間を邪魔しないよう、細心の注意を払いましょう。

遺族への無理な励ましを控える
「頑張って」「元気出して」などの言葉は避ける
悲しみに暮れる遺族に対して、「頑張って」「早く元気になって」といった言葉をかけるのは、一見励ましのように思えますが、実は逆効果になることがあります。遺族はすでに精一杯頑張っており、これ以上頑張るよう言われることで、かえって追い詰められたり、自分の感情を押し殺したりしてしまう可能性があります。
- 「つらいですね」「大変でしたね」など、遺族の感情に寄り添う言葉を選ぶようにしましょう。
- 無理に慰めようとせず、ただそばにいることも大切なサポートです。
自身の経験談を押し付けない
自分自身も身近な人を亡くした経験がある場合、「私も同じ経験をしたからわかる」などと、自身の経験談を長々と話すのは控えましょう。それぞれの悲しみ方は異なり、相手に自身の感情を押し付けることになりかねません。
- 共感を示すことは大切ですが、あくまで遺族の気持ちを中心に考えるようにしましょう。
- 求められない限り、自分の話をするのは避けるのが賢明です。
香典や弔問に関するマナー:失礼にあたる行動と適切な対応
香典の渡し方:やってはいけないこと
金額を尋ねること
香典の金額について、他の参列者や遺族に直接尋ねることはマナー違反です。香典は故人への弔意を表すものであり、金額は個人の気持ちによって決めるものです。他人に尋ねる行為は、相手に不快感を与えるだけでなく、故人への敬意を欠く行為とみなされます。
- 香典の金額に迷う場合は、一般的な相場を参考にしたり、目上の人に相談したりするのが良いでしょう。
- 自身の判断で金額を決め、スマートに渡すことが大切です。
受付で長居すること
香典を渡す際、受付で長々と立ち話をするのは避けましょう。特に葬儀の規模が大きい場合、受付は混雑することが予想されます。スムーズな進行を妨げないよう、簡潔に挨拶を済ませ、速やかに移動するのがマナーです。
- 感謝の言葉や、遺族を気遣う一言を添えるのは良いですが、それ以上の会話は控えましょう。
- 故人や遺族への弔意は、受付を済ませた後に静かに示すべきです。
新札を包むことと、避けるべき金額
香典に新札を包むのは避けるべきです。これは、「不幸をあらかじめ予期していた」「準備していた」という印象を与えてしまうためです。もし手元に新札しかない場合は、一度折り目をつけてから包むようにしましょう。逆に使用感が著しく、汚れたお札や破れているお札も失礼にあたるので避けましょう。
また、香典の金額には避けるべき数字があります。偶数金額は「割れる」ことを連想させるため避けられ、特に「死」を連想させる「4」や、「苦」を連想させる「9」のつく金額はタブーとされています。
- 新札の注意点:もし新札しか手元にない場合は、一度折り目をつけてから包む。
- 金額の注意点:偶数金額、「4」や「9」のつく金額は避ける。
香典を辞退された場合の対応
故人や遺族の意向で、香典を辞退されるケースも増えています。その場合は、無理に香典を渡すのは控えましょう。遺族の意向を尊重することが最も大切です。代わりに、供花や弔電を送ることは可能ですが、それも事前に遺族に確認し、承諾を得てからにしましょう。

弔問時の服装や身だしなめ:やってはいけないこと
派手な服装やアクセサリー
弔問に訪れる際は、派手な服装やアクセサリーは避けるべきです。葬儀は厳粛な場であり、故人を偲ぶ気持ちが何よりも大切です。華美な装いは、故人や遺族への配慮を欠く行為とみなされます。
- 男性は黒のスーツ、女性は黒のアンサンブルやワンピースが基本です。
- アクセサリーは、結婚指輪以外は控えめに。光沢のあるものは避け、パールなどシンプルなものを選びましょう。
過度な香水や化粧
香水は、香りの好みが人それぞれであり、体調を崩している遺族や参列者にとって負担になることがあります。香水は控えめに、あるいはつけないのが賢明です。また、女性の化粧も、派手なものは避け、ナチュラルメイクを心がけましょう。
- 清潔感を意識しつつも、控えめな身だしなみを心がけることが大切です。
- 故人への敬意と、遺族への配慮を示す姿勢が求められます。
平服での弔問時の注意点
葬儀後に改めて弔問に伺う場合、喪服ではなく「平服」で良いとされることが多いです。しかし、平服といっても普段着ではないため注意が必要です。
- 「平服」の定義:一般的には、地味な色合いのスーツやアンサンブル、ワンピースなどを指します。カジュアルすぎる服装や、露出の多い服装は避けましょう。
- アクセサリー:派手なアクセサリーは避け、結婚指輪のみか、シンプルなパールのネックレスなどに留めます。
- 持ち物:香典を事前に送っていない場合は持参します。供物は、故人が好きだったものや、日持ちするお菓子などが無難です。生ものや冷蔵が必要なものは避けましょう。
葬儀後の生活:遺族が陥りやすい状況と周囲の関わり方
故人の遺品整理:気をつけたいことと進め方
独断での遺品処分を避ける
故人の遺品整理は、遺族にとって精神的に非常に負担の大きい作業です。もしあなたが遺族の一員であれば、独断で遺品を処分することは絶対に避けましょう。たとえ必要ないと感じるものでも、他の遺族にとっては大切な思い出の品である可能性があります。必ず全員で話し合い、合意の上で進めることが重要です。
- 遺品整理は、故人との別れを再認識する機会でもあります。焦らず、時間をかけて行いましょう。
- 遺言書やエンディングノートがないか事前に確認し、故人の遺志を尊重することも重要です。
急いで処分しない
故人が亡くなった直後は、感情的な判断をしてしまいがちです。遺品整理も、急いで全てを処分しようとせず、時間をかけることが大切です。後で後悔しないためにも、まずは必要なものとそうでないものを区別し、残すもの、処分するものをじっくりと検討しましょう。
特に、相続に関連する重要書類(通帳、証券、不動産の権利書、税金関連の書類など)は、誤って処分しないよう細心の注意を払い、別に保管することが必要です。
デジタル遺品の整理も忘れない
近年では、故人のパソコンやスマートフォン、SNSアカウント、オンラインサービスなどのデジタル遺品の整理も重要になっています。パスワードが不明でアクセスできない、といった問題も発生しやすいため、遺言書やエンディングノートにログイン情報などを記しておくことが理想的です。遺族が困らないよう、早めに話し合い、整理の準備をしておくことも大切です。

周囲の人ができるサポート:避けるべきこととすべきこと
無理に明るく振る舞わせない
遺族の心のケアは非常に重要ですが、周囲の人が無理に遺族を明るく振る舞わせようとするのは避けましょう。悲しみを表現することは自然な感情であり、無理に笑顔を作る必要はありません。遺族が悲しみに浸りたい時は、そっと見守り、話を聞いてあげる姿勢が大切です。
- 「つらいですね」「大変でしたね」など、遺族の感情に寄り添う言葉を選びましょう。
- 無理に気分転換させようとせず、遺族が望むタイミングで行動を共にすることが大切です。
連絡を途絶えさせない
葬儀が終わると、どうしても連絡が減ってしまうことがあります。しかし、遺族は葬儀後も孤独感を感じやすい時期です。定期的に連絡を取り、気にかけていることを伝えるのは、非常に大切なサポートとなります。ただし、頻繁すぎる連絡は負担になることもあるため、適度な距離感を保つようにしましょう。
- 「何かできることがあればいつでも言ってね」と伝え、具体的な手助けを申し出ることも有効です。例えば「食事の準備をしようか?」「買い物に行こうか?」など、具体的に提案すると遺族も頼みやすくなります。
- 遺族が話したい時に、いつでも耳を傾ける準備をしておきましょう。
葬儀後の忙しさへの配慮
葬儀が終わっても、遺族にはさまざまな手続きや挨拶回りなど、多くのやるべきことが残されています。この時期は精神的な負担に加え、肉体的にも疲弊していることが多いです。周囲の人は、遺族の忙しさを理解し、無理をさせない配慮が必要です。
- 状況に応じて、しばらくの間、静かに見守ることも大切な配慮です。
- 遺族が頼ることができなくても、そっと差し入れをする、家事を手伝うなど、さりげないサポートも喜ばれます。
弔意の示し方:故人と遺族への敬意と心構え
法要や追悼会への参加:心構え
服装やマナーに配慮する
四十九日や一周忌などの法要、追悼会に参列する際は、葬儀と同様に服装やマナーに十分配慮しましょう。特に、故人の命日や節目となる法要は、遺族にとって故人を偲ぶ大切な機会です。派手な服装や振る舞いは控え、故人への敬意を表すことが求められます。
- 男性はダークスーツ、女性は地味な色のワンピースなどが適切です。
- 香典や供物を用意する場合も、事前に遺族に確認し、適切なものを準備しましょう。
故人や遺族への温かい言葉を選ぶ
法要や追悼会で遺族に声をかける際は、故人との思い出を語りつつも、遺族を気遣う温かい言葉を選ぶことが大切です。無理に励ますのではなく、「安らかにお眠りください」「ご冥福をお祈りいたします」など、故人への哀悼の意と遺族への慰めの気持ちが伝わる言葉を選びましょう。
- 長話は避け、簡潔に挨拶を済ませることがマナーです。
- 遺族が話したい時は、静かに耳を傾け、共感する姿勢を示しましょう。

年賀状や新年の挨拶:控えるべき時期と対応
喪中はがきを出す意味と対象
故人を亡くした遺族は、翌年の年賀状を控えるのが一般的です。これは「喪中」として、新年の挨拶を慎むことを相手に伝えるための「喪中はがき」を送ることで示されます。喪中はがきを出すことで、相手に不要な気遣いをさせない配慮にもなります。
- 通常、故人が亡くなってから一年間が喪中とされますが、これは地域や家庭によって異なる場合があります。
- 喪中はがきは、年賀状を出す時期(11月中旬から遅くとも12月初旬)に間に合うように準備しましょう。
- 誰に送るか:例年年賀状を出している方、葬儀に参列していただいた方、故人と親交のあった方々に送るのが一般的です。仕事関係の方で故人と面識がない場合は、通常通り年賀状を送ることもあります。
喪中の相手への配慮
もしあなたが喪中の相手に対して新年の挨拶を送る場合は、年賀状ではなく、寒中見舞いや季節の挨拶状を送るようにしましょう。また、相手の気持ちを考慮し、年賀状の送付を控えるのも配慮の一つです。喪中の相手に、通常の年賀状を送ってしまうのはマナー違反となります。
- 寒中見舞いは、一般的に松の内(1月7日頃)が過ぎてから、立春(2月4日頃)までに送るのが適切です。
- 時候の挨拶と共に、相手を気遣う言葉を添えるようにしましょう。
心身のケア:故人を亡くした後の向き合い方とサポート
自身の健康管理:無理をしないこと
体調の異変に気づいたら専門家へ
故人を亡くした悲しみは、心だけでなく体にも影響を及ぼすことがあります。食欲不振、不眠、倦怠感、理由もなく泣き出す、罪悪感を感じる、人生が虚しく感じるなど、心身に異変を感じたら、無理をせず、早めに医療機関や専門家(カウンセリング、グリーフケアなど)に相談しましょう。我慢して症状が悪化してしまう前に、適切なケアを受けることが大切です。
- 無理に明るく振る舞おうとせず、自分の感情に正直に向き合いましょう。
- 信頼できる家族や友人に話を聞いてもらうことも、心の負担を軽減する助けになります。
十分な休息を取る
葬儀準備やその後の手続きで、心身ともに疲弊していることが多い時期です。悲しみの中にいると、つい無理をしてしまいがちですが、十分な休息を取ることが何よりも重要です。睡眠時間を確保し、栄養バランスの取れた食事を心がけ、心身の回復に努めましょう。
- 趣味やリラックスできる時間を意識的に作り、気分転換を図ることも大切です。
- 無理に外出せず、家で静かに過ごす時間も必要です。
- 毎日のルーティンを作ることも、気持ちの整理に役立つことがあります。

周囲の理解を求める:一人で抱え込まない
感情を正直に伝えることの重要性
悲しみや辛い気持ちを一人で抱え込まず、信頼できる家族や友人に正直に話すことは、心の回復にとって非常に重要です。周りの人は、あなたがどのような状況にあるのか理解することで、適切なサポートをしてくれるでしょう。「大丈夫」と無理に笑顔を作る必要はありません。
- 感情を吐き出すことで、心の負担が軽減されることがあります。
- 話すのが難しい場合は、手紙やメールで気持ちを伝えるのも一つの方法です。
- 共感を得られる本やブログを読んだり、同じ境遇の方の経験談に触れることも有効です。
サポートを拒否しない
周囲の人々がサポートを申し出てくれた場合、遠慮せずにそれを受け入れることも大切です。特に、「人に迷惑をかけたくない」という気持ちから、せっかくの好意を拒否してしまうことがあります。しかし、この時期は周囲の助けを借りて乗り越えるべきです。具体的な手助けでなくても、話を聞いてもらうだけでも十分なサポートになります。
- 感謝の気持ちを伝えつつ、無理のない範囲で協力を求めましょう。
- あなたがサポートを受けることで、相手も安心します。
葬儀後の手続き:忘れがちな注意点と進め方
役所への届出:期限厳守の重要性
死亡届以外の届出を忘れない
葬儀が終わった後も、故人の関係するさまざまな手続きが残されています。特に役所への届出は、期限が設けられているものも多く、忘れずに手続きを行うことが重要です。死亡届以外にも、以下のような手続きが必要になる場合があります。
手続きの種類 | 主な内容 | 提出期限と注意点 |
---|---|---|
世帯主変更届 | 世帯主が亡くなった場合 | 死亡日から14日以内 |
国民健康保険の資格喪失届 | 故人が加入していた場合 | 死亡日から14日以内 |
介護保険の資格喪失届 | 故人が加入していた場合 | 死亡日から14日以内 |
住民票の抹消 | 特に手続きは不要だが、関連して行う場合がある | |
年金受給停止手続き | 故人が年金受給者だった場合 | 死亡日から10日以内(国民年金)または14日以内(厚生年金) |
埋葬料・葬祭費の申請 | 健康保険組合などから給付される | 葬祭を行った日から2年以内 |
所得税の準確定申告 | 故人に所得があった場合 | 相続開始を知った翌日から4か月以内 |
これらの手続きには、期限が設けられているものが多く、遅れると不利益を被る可能性もあります。不明な点があれば、各関係機関に問い合わせて確認しましょう。死亡診断書や死体検案書は、これらの手続きに必要となる重要な書類ですので、複数枚コピーを取っておくことをおすすめします。
相続手続きの注意点と専門家の活用
故人に財産があった場合、相続手続きが必要になります。これは非常に複雑な手続きであり、安易に自己判断で進めるとトラブルになる可能性もあります。特に以下の点に注意が必要です。
- 相続人の確定:誰が相続人になるのかを正確に把握する。故人の出生から死亡までの戸籍謄本を取り寄せて確認する必要があります。
- 遺産の調査:故人の財産(預貯金、不動産、有価証券など)と負債(借金など)を全て把握する。負債が多い場合は「相続放棄」も検討する必要があります。
- 遺産分割協議:相続人全員で遺産の分け方を話し合い、合意する。揉め事にならないよう、専門家を交えて進めるのが望ましいです。
- 相続税の申告:相続税が発生する場合は、相続開始から10ヶ月以内に申告・納税する。
相続に関しては、弁護士や税理士、司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家のサポートを得ることで、スムーズかつ適切な手続きを行うことができます。デジタル遺品なども含め、遺産を正確に把握し、相続人全員が納得できる形で進めることが、後のトラブルを防ぐ鍵となります。
まとめ
葬儀後も、故人を偲び、遺族を支えるために、様々な配慮や行動が求められます。このガイドでは、特に「やってはいけないこと」に焦点を当て、以下の重要なポイントを解説しました。
- 故人の死因や経緯の詮索は避ける:遺族への精神的な負担をかけないように、デリケートな話題には触れないようにしましょう。
- 忌中・喪中の慶事への参加は控える:故人への敬意を表し、時期に応じた適切な行動を心がけましょう。
- 遺族への無理な励ましや明るすぎる話題は避ける:遺族の感情に寄り添い、静かに見守り、共感の言葉を選びましょう。
- 香典の金額を尋ねたり、受付で長居しない:新札の使用や不適切な金額も避け、マナーを守り、スマートに対応しましょう。
- 弔問時の派手な服装や過度な香水は避ける:故人への敬意と遺族への配慮を示す、清潔で控えめな身だしなみを心がけましょう。
- 独断での遺品処分は避ける:遺族全員で話し合い、時間をかけて慎重に進め、デジタル遺品にも注意しましょう。
- 自身の心身の健康管理を怠らない:無理せず、必要であれば専門家や周囲のサポートを求め、感情を正直に表現しましょう。
- 葬儀後の手続きを怠らない:役所への届出や相続手続きなど、期限のあるものは特に注意し、必要に応じて専門家を活用しましょう。
故人を亡くした悲しみは、誰もが経験する辛い出来事です。しかし、適切な知識と配慮があれば、遺族の心の回復を助け、故人を尊ぶことができます。この記事が、あなたが大切な時期を乗り越えるための一助となれば幸いです。
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